日時:2024年6月24日(月)講演会:14:30~15:30
会場:東京商工会議所 5階 会議室「RoomA3-5」
出席者:46名
研修委員会主催の講演会を6月24日(月) 東京商工会議所会議室で行いました。日本商工会議所女性起業家大賞を受賞した高橋陽子氏(ダンウェイ株式会社)に「Unlocking! シームレスバディで障害者の秘めた能力の発掘・開花を実現!」の講演タイトルで、ご講演いただきました。
開会の挨拶で畠山会長より、企業における障がい者雇用の必要性が述べられました。
講演では障害者雇用の課題があげられ、令和5年度の調査で60.2万人(約6%)しかおらず、工賃も約1.7万円/月と70年前から変わらず低い状況であり、高橋氏はそれらの課題を解決するためにダンウェイを立ち上げました。会社のビジョンは、障害者の「その人なりの自立」、地域共生の実現です。
事業内容として、4つの事業があり、シームレスバディを核に、福祉【障害者就労支援】【障害児支援】、教育(外部向け)【だんだんシリーズ】、クリエイティブ【沖縄連携(6次化)】、ICT【Web制作等】を行っています。
社員は多様で、障害はあるけれど、秘めた能力を発掘・開花させ、機会提供をしています。
障害者雇用の課題のミスマッチの原因として、障害者に対する大きな壁があります。企業では能力や理解が足りない、学校では教育の仕組み、教材がありません。
ダンウェイは障害者の能力を可視化することで、障害者特性から職業能力(得意分野)を分かるようにしました。キャリアサポートカルテ「シームレスバディ(Seamless Buddy)~切れ目ない相棒~」の特徴は以下です。
- ①新規性・独創性
シームレスバディは有効な教材・コンテンツ提案、AIで提案、能力の分析等を行っています。また、様々な会社と連携をしてアプリ開発やアセスメンター養成・認定をしています。 - ②社会的貢献性
SDGs×教育×福祉×障害者雇用促進を推進しています。 - ③市場性・将来性
令和6年4月から法定雇用率引き上げが行われましたが、企業達成率は50.1%であり、障がい者雇用の対策は必要です。 - ④販売戦略 流通・プロモーション戦略
企業の新たな障害者雇用促進と、障害児の対応を行っています。事例紹介では、①生産性2倍、②売上UP、③平準化(作業を誰でもできるようにした)が達成できました。
障害とは、個人と社会(環境)で対策が必要です。2030年の未来から、バックキャスティングで事業を行っていきたいとのことで講演を締めくくられました。
質疑応答では、ビジネスコンテストを出した理由を聞かれ、障がい者雇用は福祉、利益を得ないものと考えられているのが問題とのことです。日本を変えたいと思うと業界を変えていく必要があり、多くの人に話を聞いてもらい、利益を生める状況にする必要があります。ビジネスコンテストは現状を知ってもらうため、および障がい者雇用の制度を変えるために出たとのことです。
特許をたくさん取った理由を聞かれ、本や弁護士の講演を聞いて、中小企業にとって特許が大事であることがわかり、将来、大企業と連携して事業を行っていく場合に対応できるために取得したとのことです。
最後に志賀副会長から、多くの経営者にとって障がい者雇用に関してきちんと考える必要性が高まる中、参考になる講演でしたとのお言葉をいただきました。
(研修委員会)