日時:2023年7月11日(火)14:30~15:30
会場:東京商工会議所5階
講師:池原 真佐子氏(株式会社Mentor For代表取締役)
出席者:18名
講演内容について
東京商工会議所女性会の研修委員会では、総会の日程に合わせて、第21回「女性起業家大賞」グロース部門で優秀賞を受賞された株式会社Mentor For代表取締役 池原 真佐子氏を講師にお迎えし、講演会を行いました。「女性起業家大賞」は、全国商工会議所女性会連合会と日本商工会議所が、経営革新に果敢に取り組んでいる創業期の女性経営者を表彰する事業で、当女性会でも支援・協力しています。
講演のタイトルは「思い込みを外して、人生もビジネスも、もっと飛躍させよう」。池原さんは起業するまでは会社員として挫折も経験しますが、INSEADに入学して多様なロールモデルと出会います。その後に起業するも上手くいかず、配偶者の関係で海外駐在します。そして出産後に新規事業を立ち上げますが、創業メンバーとの葛藤やコロナ禍で振り回される日々を過ごします。その中で、女性の働きがいをメンターを通じて創るために、経験豊かな人を採用し、積極的にメンターを求めにいき、組織作りを行い、サービス導入企業を増やしていきます。
池原さんがそれらの経験を通じて気づいたことは、壁だと思っていたのものは、実はチャンスであったことです。また、白か黒かの二択の思考にならないよう、「思い込み」を外すことが大事です。「思い込み」とは、無意識のバイアスのことで、性別、学歴、生き方など、こうあらねばいけないと我々が思っていることです。無意識のバイアスがあると、お互いが共通認識により共感が得られたり、話す内容が分かりやすくなり、結果、それぞれの集団におけるバイアスが生じます。特に日本はジェンダーバイアスが強いことが挙げられます。
池原さんも女性、母とはこうあるべきということに縛られていたことに気づきます。各種の神話に惑わされず、エビデンスを調べたり、自分や家族にとって何が心地よいかを考え、大事な部分だけを残し、それ以外は削ぎ落とすようにしました。また、配偶者の海外赴任に関しても日本にいながら海外の大学院に通うとか、日本と海外を往復しながら事業を続けるという方法があることにも気づきます。さらに経営者とはこうあるべきに縛られていたけれど、様々なタイプの経営者、リーダーを知ることで、大事なエッセンスを自分に取り込み、自分らしいスタイルを模索しました。
それらの経験から、思い込みを乗り越えるためのヒントとして、①自分の思い込みが出やすいポイントを知っておく(特に自負が強い領域は、思い込みも強くなる)、②選択肢が本当に2つしかないのか、第3の選択肢はないのかと探る、③異なる経験をしているメンターと対話をすることを挙げました。
講演後の質疑応答も活発にあり、企業に対応するメンターは事前に企業の要望を複数回確認してマッチングしていること、メンタリングの効果測定方法として、事前に効果判定基準(受講者の意識が変わったか等)を企業と共に決めていること、経営者の「思い込み」に関する話等をされました。
ダイバーシティ経営の実現により、イノベーション・企業の進化が進むことから、女性会の経営者にとっても参考になる内容でした。
(研修委員会)