〇日時:2022年7月25日(火)15:00~17:00
〇ハイブリッド形式:会場参集(学士会館)、オンライン参加(Zoom)
〇参加者:総勢42名
経営へのSDGsの導入取り組み
急激な時代の変化とともに、新しい生活様式が提唱され、ビジネススタイルも刻々と変化を遂げている中、企業は社会課題の解決や持続的な発展のため「経営へのSDGsの導入取り組み」が推進されるようになりました。そこで「SDGs導入」にフォーカスし、各界のオピニオンリーダー3名をパネリストにお招きして「SDGs経営を学ぶ・知る・考える」フォーラムを開催しました。
当日は、東商女性会では今年度初のハイブリッド形式となり、パネリストも参加者も会場とオンラインの双方からの登壇や参加となり、ハイブリッド形式の醍醐味も味わうことが出来ました。
最初に、内川あ也副会長が出席者に感謝の意を表して開会挨拶をし、続いて女性会を代表して市瀬優子会長が歓迎の挨拶を述べました。
会場登壇者左から:市瀬会長、佐藤氏、服部氏、内川副会長、柳内理事、赤池委員、田村委員/オンライン参加者をスクリーン投影し、会場とつなぐ | 講演 講師 内川あ也 氏 (右から3番め) |
会場登壇者左から:佐藤氏、服部氏、内川副会長、柳内理事、赤池委員/オンライン参加者をスクリーンに投影し、会場とつなぐ | 会場登壇者左から:中村委員長、佐藤氏、服部氏、内川副会長、柳内理事/オンライン参加者をスクリーン投影し、会場とつなぐ |
〔SDGs経営を学ぶ〕 講演 『SDGs経営』 講師:内川あ也 氏
まず、内川あ也副会長を講師として、「SDGs経営」について講演を行いました。
内川あ也 氏 ブレイン有限会社 代表取締役
早稲田大学大学院修了 公共経営修士
人財育成・キャリア教育、職業紹介、企業研修や講演、セミナー等を国内外でこれまでに約3000回行う。また「起業塾」やDX推進・エシカル消費等、社会動向に着目した「トレンド塾」を主宰。近年、「SDGs経営」の講演、企業や自治体のSDG2導入指導・アドバイスや、超一流の経営者の為の「エクゼクティブプレゼンス」コンサルティングでも好評を博す。農林水産省のプロジェクトや外務省認定事業、国際友好親善はじめ交流会イベント等NPO活動を長年継続中。
「SDGs」(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)とは、2015年国連総会で採択され、持続可能で多様性、包摂性のある、よりよい国際社会の実現を2030年迄に達成を目指す国際目標です。「SDGs経営」とは、自社の事業を通じ、社会の課題であるSDGs を解決する持続可能な取り組みです。
中小企業や小規模事業者から、「SDGsはよくわからない」という声をよく聞くため、本日のゴールは「SDGs導入の糸口をつかむ」です。
講演では「SDGs経営」がスムーズに行えるように、5ステップについての説明のほか、これまでほとんど知られていなかった、最新のエシカル消費、世界的に消費スタイルの変化とSDGsとの密接な関係など、目から鱗が落ちるような講演を聞き、視点を変えれば、中小企業こそ、SDGsの導入によって収益をあげるチャンスであることもよく分かり、「身近なSDGs」からの取り組みを始めるとよいことなどヒントも伺うことが出来ました。
〔SDGs経営を知る〕 パネルディスカッション
続いて、内川あ也氏がモデレーターをつとめ、服部津貴子氏、下田令雄成氏、佐藤綾子氏の3人のパネリストに、プレゼンテーションをしていただきました。
まず、服部津貴子氏が、「SDGsと食育」について講和を行いました。
服部津貴子氏 学校法人服部学園 常務理事
フランス、スイスの料理・製菓学校に留学後、服部学園で教鞭をとる傍ら、農林水産省林野庁の特用林産物の普及委員、国際オリーブ協会アドバイザーとしても活躍し、兄服部幸應と共に食育の普及活動を行っている。
著書:『中学生・高校生のための「おいしい」食育講座』(同友館)、『Q&A季節の食育』(岩崎書店)、『服部流「味」の秘訣うちあけ手帖』( 大和出版)
平成17年に食育基本法が制定され、食育推進基本計画が始まりました。重点課題は「1:生涯を通じた心身の健康を支える食育の推進 2:国民の健康、持続可能な食を支える食育の推進 3:社会、環境、文化、「新たな日常」やデジタル化に対応した食育の推進」です。この食育(食育基本法)とSDGsには、結びつきがあり、特に、SDGs1、SDGs2、SDGs3、SDGs4と深い関係があります。
次に、下田令雄成氏が、「Dual Life&Dual Work」について講和を行いました。
下田令雄成 氏 株式会社シャイニング 代表取締役
『人が輝きつづける場の創造』をミッションに人財育成等、延べ500社以上に講演・研修・組織開発支援を行う。家族が増えたことを機に2017年に実家(群馬県前橋市)に戻りリモートワークを実施。2拠点(仕事:渋谷、自宅:前橋)でのDual・Lifeを開始。 北関東を活動領域に古民家再生や空家・休耕地の有効活用によるDual・Life、DXによるDual・Work(副業・兼業)の普及推進活動を開始。
現在、Dual Life(2拠点生活)の言葉は耳にするものの、実体験を伺う機会がありませんでした。今回は5年前より、東京都(渋谷区)に会社をおき、群馬県(前橋市)で生活をし、Dual Life&Dual Workを軸にした生き方・働き方や様々な自社事業をSDGsにマッピングしている活動について伺うことが出来、Dual Lifeは地域活動や家族や仲間と価値観を共有することが大切だと分かりました。
次に、佐藤綾子氏が、「経営者のコミュニケーションにはSDGsの土台、『大善』の思想を置こう」について講和を行いました。
佐藤綾子氏 株式会社国際パフォーマンス研究所 代表取締役
パフォーマンス心理学の第一人者として、指導歴42年、累計4万人のビジネスマン、首相経験者含む56名の国会議員のスピーチ指導で定評あり。著書:「オンラインでズバリ伝える力」(幻冬舎)、「成功はPQで決まる」(学研プラス)等、単行本197冊、累計326万部。サンケイスポーツにて「トップランナーに学ぶパフォーマンス術」連載中。
パフォーマンスとは社会的承認を伴う最高の自己表現です。(自己実現=)大善(agathos)を哲学者アリストテレスは「万人に善きもの」と呼称し、これはSDGsの「1人も取り残さずに」に通じます。大善は真実、善、美を兼ね備え、徳を伴った生活のこと。分かりやすく言うと「社会・自分・相手のために」という「三つの貢献」で、SDGsとは大善のコンセプトを具現化したものです。
また、対人場面を持つ全ての人のコミュニケーション力の向上に、IQ(知能指数)EQ(感情指数)に加えて、PQ(自己表現力指数)が重要でそのメリットなど興味深いお話を拝聴できました。
〔SDGs経営を考える〕 トークセッション
最初にパネリストへ、山崎登美子顧問から「SDGs導入のはじめ方」についての代表質問&パネリストからの応答があり、その後、3つのグループに分かれ、パネリストを囲んで参加者とのトークセッションを行いました。
服部津貴子 氏(会場/進行:委員深井敏江、書記:委員 亀谷弘美)
下田令雄成 氏(オンライン/進行:副委員長 梅本惠子、書記:委員 平沢郁子)
佐藤 綾子 氏(会場/進行:副委員長 山崎和子、書記:委員 幾島光子)
トークセッションではパネリストに直接、質問をして直ぐに回答やアドバイスが得られる価値の高い貴重な場で、活発な意見交換を行うことが出来ました。
まとめに、パネリストから、各分野でのSDGsとのつながりや取り組みのヒントとして、服部氏は「自然と調和する食育を考える」、下田氏は「子供の未来にとって2拠点生活でいろいろな経験をさせることも大事」、佐藤氏は「相手を説得させるには誰に(ターゲット)何を(ターゲット)どうやって(ストーリー)を考えることが大事」などのメッセージをいただきました。
トークセッション(会場)
トークセッション(オンライン)
結びに
最後に、畠山笑美子理事から、謝辞・所感、柳内光子理事から、総括、中村清美委員長から閉会の挨拶、吉武寿美子委員からエンディングに参加者への感謝のパフォーマンスがあり、閉会をしました。
【所感:今年度初!のハイブリッド形式のイベント】
コロナ下でのイベントでは、会場参集型とオンライン型で同時に行う「ハイブリッド形式」に注目が集まっています。しかし、ハイブリッド形式は両方に同時配信するからこその難しさがあります。
今回は登壇者も参加者も会場とオンラインの双方からの参加となり、何か月も前からテストやリハーサルを重ねた結果、終了後にオンライン参加者からも「会場の声もはっきり聞こえ、画面もよく分かり、会場の雰囲気や臨場感も伝わってきた。内容もよく楽しかった」との嬉しい声が届きました。
※本イベントでは会場参集のうち、各講演時及び写真撮影以外はマスク着用をしております。
(記:交流・観光委員会)