◆デイヴィッド・アンダーソン様（在日カナダ商工会議所会頭）
『日本とカナダのビジネス関係について』

アンダーソン様はJapan Transfersの最高経営責任者、Anderson Consultingのプリンシパル、BOOST HEC Systemsの日本代表も務められています。これらの役職に就く前は、トロントの日本貿易振興機構（JETRO）にも在籍されており、カナダと日本間の商取引発展に取り組まれています。

在日カナダ商工会議所（CCCJ）はアジアにあるカナダ商工会議所の中でも大変古い歴史を持つ商工会議所であり、日加ビジネスコミュニティの発展に寄与してきました。カナダ経済はアメリカとの貿易に依存しており、その依存度を緩和するためにも、日本からの投資や貿易を更に促進してより良い関係を築くことを望んでいます。カナダのエネルギー自給率は173.9％に対し、日本は9.6％、食料自給率はカナダが264％に対し、日本は37％とお互いが補完しあえる要素は非常に高いです。
日加の控えめな国民性は似ており、良いパートナーシップを築けるとお話しされました。

◆リオ・ウィットニー様（在日カナダ商工会議所理事）
『カナダの21世紀型教育の紹介』

ウィットニー様は、小学校から大学までのあらゆるレベルの教育現場に携わってこられました。CCCJでは、教育委員会を立ち上げ若手専門家のサポートを行うなど積極的に活動されています。

講演ではカナダの教育制度の概要について、主に下記内容をお話いただきました。

• ①コンピテンシー（クリティカルシンキング、クリエイティブシンキング、コミュニケーションスキル）の開発と能動的な学習
• ②生徒の特性に合わせた学習ができる（少人数クラス、多くのコースから選択可能）
• ③自己認識・自己規律、共感力・感情制御力、責任ある意思決定力、他者への気遣い、対人関係などの育成
• ④大学はイノベーションに優れ、日本の硬直的な考えとは異なり教師の質も高い
• ⑤大学生は別の大学に2年間の編入が容易にでき、単位も使える

◆浅野邦子様（女性会会員）
『日本女性の社会進出について』

浅野様は1975年に金沢箔工芸品製造販売の箔一を創業されました。2005年に経済産業省「第1回ものづくり大賞優秀賞」を受賞。2016年日本経済団体連合会会長の諮問機関・審議員会副議長に就任。2018年には旭日単光章を受章されています。

日本女性の社会進出は、残念ながら世界の中で遅れており世界経済フォーラムのジェンダー指数においても156か国中120位です。日本は結果の平等はあれど、機会の平等は十分とは言えず、女性の機会平等を経団連に提言しています。
さらに日本政府にも提案しているのは、既にカナダにはある『女性・ジェンダー平等省』の設置です。日本とカナダは経済・教育・女性の地位向上においても互いに学ぶことが多く、ぜひこれを機にCCCJと東商女性会の関係を深めて行きたいとお話しされました。