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活動報告

交流・観光委員会 主催 ーコロナ禍でのアンケート調査ー
報告書『コロナ後への女性経営者の視点』
新しい生活様式に合わせた取り組み『好事例集』

東京商工会議所女性会 交流・観光委員会アンケート作成チームでは、コロナ禍の先の社会を予測し先陣を期すことに役立つアンケート調査を企画いたしました。アンケート調査は会員皆様のご協力を得て、以下のように実施いたしました。
『報告書』及び『好事例集』の内容は、各々の写真に全文をリンクしております。

【調査の実施方法】

  • 実施主体:東京商工会議所女性会 交流・観光委員会
  • 実施期間:令和2 年11 月18 日~令和2 年12 月18 日
  • 実施方法:インターネットを通じた調査(ソフト:Qooker)
  • 実施対象:東京商工会議所女性会会員企業の女性経営者
  • 回答数:60 名
  • 分析者:因子分析(ガウス(株):山崎和子)
    テキストマイニング(ネットワーク)分析(ブレイン(有):内川あ也)

【アンケート調査実施の経緯】

当チームでは令和2年9月より、設問の設計、調査の実施、集計、分析、報告書の作成について会議を重ね、様々なアイデアや意見を出し集計、分析、文章記述、事務作業、チェック校正等を行い、ここに報告書が完成いたしました。

【アンケート調査の目標】

突然のコロナ禍に見舞われ、経営の転換の必要性などから、各所各機関でアンケート調査が行われています。数ある調査の中でこの調査の独自性は「一般論ではなく、我々中小企業者の女性経営者という自分に近い視点で捉えること」であり、「アンケートの回答者にも読者にもビジネスの発展や経営に役に立つ」ことを目標にいたしました。

【報告書の概要】

報告書は、表側と裏側から始まる、独立の2冊を合本(両面表紙)となっています。

【コロナ後への女性経営者の視点】(表側より)

回答をただ単純に集計するに留まらず、様々な解析手法を用いて試行錯誤の末、『因子分析』により、「役に立つ」可能性のある結果を得ました。
経営者の5個(A、B、C、D、E)の因子(要素)を抽出しました。(以下、5タイプと呼びます。)この5タイプは経営者の中にその断片が存在するかもしれない経営者像です。ご自分の事業を客観視するのに使っていただけたら幸いです。

《因子分析》設問の回答の分析


因子分析(分析/ガウス(株):山崎和子)

グラフは、分析の結果を表しています。
横軸は、アンケートの設問、縦軸はA、B、C、D、Eそれぞれのタイプについて、設問の答えがYESかNOかの強さを表しています。それぞれ5タイプの特徴を示しています。下記では5タイプの経営者を主語として書いていますが特定の人を表してはいません。


アイコンの説明

type a

Aタイプ【好業績、高労働生産性、新規事業に取組む小規模事業者】

コロナ禍で必要に迫られテレワークを行った結果、生産性が上がり、更にオンラインを活用した新事業も始め、業績も好調。コロナ禍が治まった後のニューノーマルの生活様式について、テレワーク、オンラインを使った事業など非接触型の生活様式は継続して使用と予想。中止をしていた会食、旅行など接触型の行動はコロナ禍前の状態に戻ると予想。これからは環境を守る事業が伸びると思われる。

type b

Bタイプ【金融機関の融資を活用する中堅企業】

業績の悪化に伴い、銀行借入や、床面積の削減で対処。会社の規模が大きめであることや金融機関との長い付き合いに救われている。
ニューノーマルの生活様式については、たとえコロナ禍が去っても会食、交通旅客など接触型は、コロナ禍前の状態に戻らないと厳しく予測。

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Cタイプ【助成金を活用する小規模事業者】

業績悪化に伴い、各種助成金を受け、非正規社員の雇用で対応。

Dタイプ【経営のスリム化をはかる老舗中小企業】

長く事業をやっている。経営者が高齢になり、社員数削減や非正規社員を雇用して事業のスリム化を図っている。銀行借入も利用。

Eタイプ【オンラインで収益を目指す新進小規模事業者】

オンライン収益事業を始め、在宅勤務・印鑑廃止を進め、労働生産性も向上。一方、今後の事業見通しについて楽観はしておらず、コロナ禍後もオンラインの働き方を継続。


テキストマイニング(ネットワーク)分析(分析/ブレイン(有):内川あ也)

《テキストマイニング分析(ネットワーク分析)》自由意見の分析

コロナも含めた疾病感染、SNSでの情報伝搬など、データーをネットワークとして分析する重要性は近年高まっています。急速な伝搬など肌感覚とは異なる現象の表現や予測ができます。
文章をネットワークとして分析する時は、文章を単語に分解し、それぞれの単語が前後あるいは近くに出現する頻度から単語同士の結びつきの強さを求めネットワークに落とします。自由意見としていただいた文章をネットワーク図に表しました。それぞれの「円」が単語、「線」が近くに出現する頻度を表します。

【企業の創意工夫】(裏側より)
コロナ禍において、企業の創意工夫で「新しい生活様式に合わせた取り組み」の情報提供をお願いしましたところ、女性会会員企業から22件の報告がありました。

《新商品サービス12件》
そのうち3件は感染防止・安全安心対策、サービス、残りの9件は、オンラインセミナー、相談業務、動画配信、カウンセリングやお見合いなど、オンラインを中心にした収益事業です。

《新商品開発・販売10件》
その全てが除菌剤及び関連商品、マスク関連商品、飛沫防止関連商品、カメラやLEDライトなど生活関連のコロナ感染拡大対策商品の開発や販売です。


※上記は各企業から提供された情報です。問い合わせの際は各企業まで直接お願いいたします。

【終わりに】

調査結果を一言でまとめると、①比較的好業績の事業者は、業種を問わず社内、新事業ともオンラインに積極的取り組んでいる。②コロナ禍後、会食、交通旅客など接触型の生活様式について、コロナ禍前の状態に戻るかどうか意見がわかれたとなりました。
各回答者の意見、分析や単純集計など調査のミクロな側面は報告書本文をご覧ください。
最後にアンケート調査にご協力を頂いた皆様に心から感謝を致します。