日時:平成30年6月11日(月)14時30分~15時45分
会場:丸の内二丁目ビル3階会議室5
講師:株式会社ここるく 代表取締役 山下真実氏
参加者数:56名
開会挨拶 副会長 藤岡 実佐子
会長挨拶 会長 藤沢 薫
謝辞 名誉会長 山崎 登美子
司会 委員長 内川 あ也
昨今、少子化問題が叫ばれる中、「女性が活躍する社会」は最も大きなテーマです。
子育てを支援しながら、女性が活躍できる場を提供するビジネスを立ち上げた山下氏(第14回女性起業家大賞最優秀賞受賞)から、その経緯や思いをお話し頂くことは、企業が今後の女性活躍推進を考える大きなヒントになると思います。
<講演内容>
株式会社ここるくのビジネスは、レストランと業務提携をし、その店又は至近距離にあるスペースに、託児室を設けることによって、子供を預ける間、ママにゆっくり食事を楽しんでもらうというサービスを提供するもので、子育て中のママの満足度を上げることにより、より良い子育て環境をつくり、ママも子供も生き生きできる社会づくりに貢献している。
スマホによる予約時間をアイドルタイムに固定することで、店にとってはアイドルタイムの活用と新規顧客の開拓につながり、子供はママとあまり離れていない場所でだっこママと称する保育スタッフと安心して遊ぶことができ、ママは普段子連れでは行けないレストランでゆっくり食事をすることによってリフレッシュできる、さらにだっこママという職場の提供にもなるという、すべての関係者にとってWin-Winの関係を追及したビジネスモデルである。
このビジネスモデルでは時間とコストの節約にもなる。従来は、まず店を予約し、ベビーシッターを別途予約し、当日はシッターの来訪を待つか保育場所へ連れて行かなくてはならないが、このシステムでは、レストランへ連れて行くだけのワンストップで済むので、時間が短縮される。また、子供は急な発熱を起こしがちだが、同社では当日キャンセルでも取消料を取らないので、コスト削減にもなり、ママの安心に繋がるという。
ママと子供の満足と安心感を得ることができるという、子育ての好循環を生むことが可能になってくる。現代社会では、孤育てによって育児負担感が高まり、子供も満たされず、親も罪悪感が増す「負の連鎖」が起こりがちである。しかし、同社のようなサービスにより、育児力の素地となる「自分の時間」をママが手にすることで育児負担感が軽減され、育児にエネルギーを発揮でき、親の充実感と子供の満足感をえるという子育ての好循環が生まれるのではないだろうか。
同社は、何よりも子供が最大の受益者となるサービスを目指し、子育て環境の「体質改善」に取り組んでいる。この他、企業への出産から職場復帰への支援や、街ぐるみの子育て支援も行っている。
女性活躍社会が叫ばれる中で、企業での子育て支援等が期待されるが、とりわけ経営者にとり、実状や多様な視点から見識を伺うことが出来た。
<主な質疑応答>
- 御社のだっこママ(子供を預かる人のこと)たちは、保育士などの資格をもっているのか?
- 保育士や幼稚園教諭などの資格を持つだっこママが大半を占めているが、資格のないものも活躍してくれている。法規制上も問題はなく、子ども2人に保育者1人、子ども3人に保育者2名という風に通常の保育園よりも手厚い人員配置で運営している。
- だっこママは若いママたちがやっていると聞いたが、高齢社会であるので、65歳以上などのシニアもいるのか?
- 子育て中のママが自分の子を連れてだっこママの仕事をしたり、子育てがひと段落した主婦層が活躍してくれている。シニアは現在のところ応募者としては少ない方だが、今後あるかもしれない。
- ママ(が御社のサービスを利用中)の食事中、子供を預かっている間、子供に食事は提供しているのか? 子供にアレルギー等がある場合どのように対応しているのか?
- アレルギー等に配慮して食事の提供はしていない。
- ママが御社の有料サービスを利用する際、夫の承諾は得られているのか?
- 利用者の半数以上は共働きだということもあるかもしれないが、普段から夫婦間のコミュニケーションが取れていれば(弊社のサービスを利用してレストランに行くなど)子供とどこへ行くということに夫の承諾は不要ではないか。
- 御社のサービスの利用するママたちは、リピーターが多いと聞いたが、利用頻度はどのくらいか?
- 月1~2回の利用が多い。
(記:ビジネス研修委員会)