雨上がりのさわやかな風の吹く中、6月8日に東京・武蔵野・町田商工会議所女性会共催事業「三鷹の森ジブリ美術館・井の頭自然文化園 合同視察会および交流会」が行われました。当日の出席者は、東京30名、武蔵野15名、町田10名、事務局9名でした。
三鷹の森ジブリ美術館は三鷹駅よりバスで5分、緑深い井の頭恩賜公園西園内にあります。親子連れはもちろん、遠方から来館されたのでしょうか、キャリーバッグを引く若い人のグループや、外国からのお客様の姿も多く、館内はびっしり。平成13年10月の開館から10年近くになるとのことですが、安定して人気の高いことがうかがえました。
館内は自由見学で、皆様思い思いに、地下から屋上まで歩き回りました。木と漆喰壁、ステンドグラス、フレスコ画に彩られた優しい空間、窓からキラキラと差し込む光、吹き抜けホールの大きな天井扇はゆっくりと回って影を落としています。建物や造りの一つ一つが何かを語りかけてくるようです。
展示物も非常に興味深いものばかりでした。立体ゾートロープ「トトロぴょんぴょん」は中でも人気が高い様子で、たくさんの人が長々と立ち止まっていました。回転盤上に少しずつポーズを変えた人形達が並んでいるのですが、発光ダイオードの明滅の中、盤が回り出すとその人形達が縄跳びをしたり一輪車に乗ったり、生き生きと動き出すのです。
「映画の生まれる場所(ところ)」はアニメーション制作スタジオを覗き見るような展示です。山と積まれた資料のある準備室から始まり、美術・演出・作画・仕上げと、各工程の様相がわかります。現場の雰囲気に少し身を置いた感じで、自然とワクワクしてしまいました。
ここには、宮崎駿監督の「こんな美術館にしたい」という思いが濃く反映されているとのことです。‘おもしろくて心がやわらかくなる美術館 いろんなものを発見できる美術館 キチンとした考えがつらぬかれている美術館 楽しみたい人は楽しめ、考えたい人は考えられ、感じたい人は感じられる美術館 そして、入った時より、出る時ちょっぴり心がゆたかになってしまう美術館!’…、確かに一般的な美術館にない特別な空間がありました。
まだまだ見足りない、歩き回りたい…、名残惜しい思いを抱えながら2時間の見学を終え、公園の中をゆっくり、井の頭自然文化園へ移動しました。
井の頭自然文化園は都立動物園で、戦時中の昭和17年に開園、今では動植物の観察のみならず彫刻芸術も鑑賞できる総合文化施設として、また心和む公園として幅広い年齢層に親しまれているそうです。
園内に点々と配置された彫刻を見ながら奥へ進むと、故北村西望氏がアトリエを構えたその場所に、主に氏の作品を収蔵して静かに佇む「彫刻園」が見えてきます。館内に入ると真正面から目に飛び込むのが長崎平和祈念像の原型。その迫力に「わー、すごい」という感嘆の声が上がりました。館内外にある250余点の迫力ある作品を鑑賞し、こと平和への思いに心打たれながら、彫刻園を後にしました。
少し歩き、彫刻園の周りのしっとりとした感じから変わってあたりが開けて来ると、「リスの小径(こみち)」と書かれた展示がありました。中に入るとたくさんの放し飼いのリスが飛び跳ねており、間近で見る躍動的な姿態に惚れ惚れしました。動物園一番の人気者、アジアゾウの「はな子」は御年64歳、日本で飼育されている象の中では最高齢とのこと。昭和24年に2歳でタイから来日、上野動物園の「移動動物園」という企画で全国や東京都下を巡回し、昭和29年、誘致運動に応えてこちらの園に引っ越してきたそうです。ユラユラ揺れる大きな体を見上げる皆様の眼差しが温かく、いつまでもお元気で、と言っているようでした。
視察会終了後、吉祥寺の街のにぎわいを感じながら徒歩で移動、17時から吉祥寺第一ホテル8階「天平」にて着席ビュッフェスタイルによる懇親会が開催されました。間野百合子武蔵野商工会議所女性会会長のご挨拶で今回の企画に込められた思いを伺いあらためて感謝すると共に、稲垣英夫武蔵野商工会議所会頭の「経済振興にますます女性の力を」というご挨拶に勇気づけられました。
畠山笑美子東京商工会議所女性会副会長の乾杯の音頭に全員で唱和、歓談となりました。会半ばには、夫婦漫才の林家ライス・カレー子のお二人が華やかに登壇され、‘環境漫才’に大いに会場が湧きました。
各女性会会員の皆様の歓談が続く中、青木旦美町田商工会議所女性会副会長の中締めにより、懇親会は終了となりました。
参加者の皆様にはお土産として武蔵野産の小麦を使った「武蔵野地粉うどん」が武蔵野商工会議所女性会の皆様から手渡されました。
稲垣会頭からも「武蔵野地粉うどん」は武蔵野商工会議所と東京都麺類協同組合武蔵野支部が協力して武蔵野市の”名物”を作ろうと企画したメニューでもありますので、是非お召し上がりくださいとのご紹介がございました。
この度の合同視察会および交流会のためにご尽力下さった関係者の皆様に心から感謝申し上げます。
(記:広報担当)