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活動報告

東京商工会議所女性会 第1回研修会 東商女性会の先進経営者に学ぶ

平成21年9月25日(金)18:00~20:30 東商ビル5階 502会議室において、女性会研修部主催の第1回研修会 「東商女性会の先進経営者に学ぶ」を開催し、それぞれの分野でご活躍されている当女性会メンバーの方を講師としてお招き致しました。

会長挨拶 吉川 稲美

私たち女性経営者の多くは、昨今の厳しい経済情勢をはじめ日本はこの先どうなってしまうのか?という不安を感じながら、日々頑張っていらっしゃることと思います。本日は講師の皆様の貴重なお話を聞かせて頂くことで、厳しい時代を共に乗り越えるため経営の参考にして頂けたらと思います。
私は「人の話を聞くには、自分の考えをサラ(ゼロ)にしてきくものである」と経営の師匠から教えて頂いて参りました。心をゼロにし謙虚にお話を聞かせて頂くことは新しい発見にも繋がり、ご自身の仕事に生かしていくことも出来ましょう。自社の経営強化の為にも自分自身の器を広げる糧にして頂きたく、ともに有意義な時間を過ごしたいと思います。

第1部 講師 女性会会員 太田みどり氏
(エイジフリーキャリア研究所 代表)
「年齢や環境に関係なく女性が仕事で輝き続ける社会(エイジフリー)を目指して」

ご自身の営業職としての経験と、社員の採用・育成・活用において大事なこと、特に「人間力」についてお話をきました。

<太田氏自身の経験から>

24年前 37歳の時1歳の娘をかかえて再就職しました。女性の就職はまだ困難な時代です。応募しても書類で何十件も落とされましたが、あるとき働くママさんの企画営業募集を見つけ応募し、採用されました。営業職の女性は非常に珍しかった時代でありました。仕事内容は求人広告の飛び込み営業です。担当エリアを一軒ずつ回っては断られ続けました。だが、この経験で営業の基本を肌身で感じとって学んだのです。
「しつこいと熱心は紙一重」であり、次第に評価が変化し始めました。

営業職は“人と人”であり、物を売る前にまず自分自身を信用してもらうことが大切です。次第に営業成績がアップしていき、営業本部長に上り詰めることができました。
さらに実績を上げることによって、相手から評価されるようになりました。
その後2005年にサリダ・アドの代表取締役に就任。そのコンセプトを“エイジフリー”としました。
そして、“エイジフリー”(Age free)のコンセプトを社員に徹底させ、資格欄に「年齢不問」と書くように指導しました。
その1年後に、厚労省によって求人広告での年齢制限が禁止され、提唱してきたことにやっと時代が追いついたと感じたのです。

国連のジェンダーエンパワーメント指数(社会における活躍度)では、日本は108カ国中、58位です。女性の管理職比率が42.5%の米国等の諸外国に比べて日本は10.1%と極めて低く国連に対しても、男女参画30%までもち上げると約束しましたが果たせず、2009年に未達成との指摘を受けました。
この数値の達成のためには、女性自身の意識を変え、男性社長、人事担当者の考え方を変えてもらう必要があるのです。どんどん女性自身も責任ある仕事をしてほしいと思います。

<女性の活用について>

2008年秋のリーマンショック以来
今だからこそ女性活用を企業戦略としてとり入れてほしいと主張している。
→逃げ場がないから強い社員が育つ、人材育成に良い時期と言える。 

みずほ証券の社長が「女性支店長を20人つくる」と社長号令を出したことを高く評価したい。トップダウンで女性の活用を決定してもらうのが一番早いが、人事担当者が男性の場合、トップの意思が現場におりていかない危惧もある。
→人事担当者(男性)を啓蒙する必要がある。

<採用・育成・活用について>  ~自分はどう進めてきたか~

採用は先行投資である、ということ。
→早くモノになる社員をつくること
採用にあたって1番大事にしていることは、first impression 第一印象である。

・採用は社長が自ら行うべきだが、直接面談が困難なら、人事担当者として人を見る目のある人を配置することが必須である。

・面談の際には、家庭のことを聞くようにしている
→両親、祖父母の言葉やしつけ、ものの考え方など、育ってきた環境の影響は大きいからである。

・育成ポイント
人としてかげで悪口をいわない
3回注意してきかなかったら退職させる
以上2点は、売上げが多くてもダメ

・仕事スキルについて
人間的なスキルと合わせ、バランス良く育てること。
→そうでないと管理職になった時、人が付いていかない。

・人を育てるためには
相手を知ることが、人を育てる上で一番大事。
社長でも相手を知る努力をしないとならない。

・人の心は人の心でしか動かない
肩書で人を使わない。
→相手の人格を尊重し、傷つける指導はダメ。

“ああいう人になりたい”というRole Modelを育てること
・一人一人の個性を大切にして育てること。

・自分の心にゆとりを持って接していくこと
→社員に指導するのではなく自分が見本になっていくことを心がけた。
社員の喜びを一緒に喜ぶ。社内できちんと納得させて叱る
→社員からあこがれられる存在になる。

・社員に“自らやろう”という気持ちを起こさせる
率先して自らやると結果もよくなる。“社長に言われたからやる”はダメ。

・会社は社員のためのものがモットー
皆でつくり上げていくこと、皆でがんばること。

< 最後に >

仕事とは、人=人間力が問われるもので、“人として”の部分が基本となります。
ここ数十年、現代人の生活は、より便利になった反面 大切なものをおき去りにしてきた気がします。(かつての日本の教育などがそうです。)
日本の良さは、日本人が昔持っていたものにこそあるのではないかと思います。
ジェンダーエンパワーメント指数を意識して、日本を変えていく事、社会を変えていく事、その実現に近づけるようにしていきたいと考えています。

第2部 講師 女性会理事 小山 悠子氏
(医療法人社団 明徳会サンデタルクリニック 院長)
「健全経営は健康な心と体から~美しく健康に!~」

小山様にはご自分の歯科医としてのご経験を踏まえての多種多様なお話と、健康に役立つツボのご紹介、健康のために気をつけなければならない点等を実演を交えて教えていただきました。

<歯の治療等について>

クリニックでの治療においては、統合医療として東洋医学的要素をとり入れている。
・一般の方のイメージは、歯医者は怖い、痛い、イヤだ
→緊張してクリニックに来る患者さんがリラックスされる工夫を行っている。特に、東洋医学のツボ治療を活用している。
足をもむ。首肩をもむ。合谷(ごうこく)を押す事によりインプラント治療も痛みなく、術後腫れずに実施できる。

<インプラント等に関する参考>

インプラントは種類が多いため、症例が多く、安心してできるところで治療を受けることが大切。技術の進歩により、部品や材料が変わってきている。流行りだからと言って、経験のない歯科医師が実施すると怖いものである。
同じ様に歯周病も体中に影響し、心臓疾患等も引き起こすので、放置せずに治療することが大切。

歯科治療に際しては、首肩のコリをとるのが大事である。
肩と首には頸動脈、椎骨動脈という動脈が通っている。
耳のつぼを刺激すると、PETで見ると脳がsleep状態になるのが分かる、そうなるとコリで頭に血が行かなくなるのを防ぐため、息を吐く時が痛くない。同じ様に合谷を15分間刺激するのも効果的である。

<その他の健康に関すること>

・貧血に効くツボ:小指爪の内側 第一関節をよく揉むと良い。

・更年期は:医学的には、35才からおきている。
更年期を訴える時期は、女性が50前半、男性が50代後半なので、50代夫婦は、特に要注意だということになる。

・肥満中高年:全ての生物に共通して言えることで、ダイエットし粗食の方が長生きするといわれている。
胃が食べたくなるまでは食べない等々、現代人には工夫が必要。
ただし我慢しないほうが良く、自然に減らしていけると効果的。

・骨粗しょう症:50代女性の4人にひとりが罹病していると言って良い。
20代の身長より2cm小さくなったら 椎体骨折の可能性があって、椎体骨折の起こる確率は、70代前半で25%、80代になると50%となる。
この骨折によって、「痛み」や「寝たきり」の原因ができてしまう。
→骨を減らさない生活習慣をつけるのが大切。運動としては、かかと上げを50回/日、また エアロビクス を 2回/週行うなどすると効果的。

・筋力については「ルーの法則」が、言える。〔年令に関係なく、使用しない筋肉は委縮するが、使用する筋肉は発達する。〕というものである。
年齢を重ねると、重力で筋肉がつぶれ、減ってくる事に目を向ける。
背をひき上げる筋力も衰えるが、良好な血流の為に良い姿勢は大切。正しい姿勢を取る工夫をすることで、筋力がアップするのである。
また、女性は首の筋力が男性より弱いことを意識して生活する。
→耳でつるされているように首を伸ばすと、正しい姿勢が容易にとれる。
このように姿勢を保つ筋肉を鍛えることにより、めまい、頭痛がとれて、快適な生活が送れるものである。

・足では外反母指の悩み:足は、親指・小指・かかと→3点で重い体重を支え、姿勢を安定させている。効果的に支える為に、足の裏には3点を結ぶアーチ状のカーブが必要。
→アーチが衰えてつぶれてくると、足にはさまざまな支障が出てくる。それを鍛える運動としては、足指でのグー、パーとチョキと逆チョキを、足/手 で同時に繰り返すのが効果的。

<美しさを生む癖として、身体に良いこと悪いこと等を挙げていくと>

・歯がないと認知症になり易い。
→歯で噛むことで頭脳を刺激し、頭骨を鍛えることが出来ている。
歯の治療をおろそかにしないことが大切。

・Winning Smileが大切:口角を上げて笑う訓練をすること。

・顔面体操:実行するとしわができにくくなる。

・まぶたを鍛えて弛まないようにする:下がったまぶたにより、容貌の変化だけで無く、視界が狭まったりして危険である。
→おでこを押さえ、目は上を見て、まぶたをパチパチさせる。

・歯みがき剤は使用しないこと:大概の製品が石油系の材料でできているため、環境ホルモンにより舌の細胞が破壊される。味覚障害で味がわからなくなる可能性があるため。

・金属アレルギーの人が増えている:そういう方には歯の詰め物も要注意。

以上の様な気遣いを持つことで、日々の暮らしの中から、人生での身体的な自由と質を、高めてゆくことが出来るそうです。小山先生の楽しい講演からは、生活の中でのたくさんの提案を戴きました。最後に研修担当の畠山副会長から、「お2人の講師の方からとても役に立つお話をいただきありがとうございました。今後の私達の仕事や生活に活かしていきたいと思います。本日は長時間ありがとうございました。」という挨拶があり、東商女性会研修部第1回研修会は、満場の拍手のうちに終了しました。

(記:尾身 朝子)