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活動報告

第41回 全国商工会議所女性会連合会 長野全国大会

長野全国大会 未来への風、さわやかに長野から

平成21年9月4日(金)5日(土)第41回全国商工会議所女性会連合会長野全国大会が長野市エムウェーブに於いて開催されました。1998年の長野オリンピック、スピードスケート競技会場であり、世界新記録が多数生まれたことでも有名なビッグ・アリーナに、全国319の女性会から約3200名の会員が参加し、大会の幕があがりました。
長野オリンピックの閉会式に登場して一躍長野県のシンボルに躍り出た藁製の人形「神面装飾道祖神」も参加者を迎えてくれました。

東京商工会議所女性会からは、吉川会長、齋藤名誉会長、井上副会長、畠山副会長、山崎顧問、安間顧問他総勢39名の会員が参加致しました。
定刻の14時45分、凛として張り詰めたような場内の空気の中、長野全国大会の開会が宣言されました。アリーナの3分の1を仕切って設えられた会場の舞台上に、参加者の何千という眼と耳が集中した瞬間でした。

主催者挨拶の中で、全国商工会議所女性会連合会 吉川会長は、昨年11月の第40回沖縄全国大会以来10ヵ月振りの再会を祝し、ご臨席を賜った吉澤雅隆経済産業省関東経済産業地域経済部部長をはじめとする、多数のご来賓の方々、岡村会頭、主催地である長野県、長野県商工会議所連合会、同女性会、関係各位に深い謝意を述べられました。
続いて、「昨年アメリカの金融不安から端を発した世界的な大不況の影響により今もなお、特に中小・小規模企業はこれまで経験したことがないような極めて厳しい事態に直面しております。また、社会全体を見渡せば、今夏の天候不順、地震、山崩れ、竜巻、農作物の不作、少子高齢化の進展、教育問題、人心の荒廃、地球温暖化による環境問題等、枚挙に暇がありません。この苦境を乗り越えるために、まず私達女性経営者が元気を出し、地域経済再生の牽引役として活動する商工会議所の一翼を担う組織として、女性らしい感性と特性を活かし、全国の女性会の皆さんと心と力を合わせて日本のために貢献していきましょう。競争一辺倒ではない共存共栄の世界へ、この大いなる自然の恵みに抱かれたここ長野大会からスタートしましょう。」と満場の参加者に呼びかけられました。

日本商工会議所 岡村正会頭は、ご挨拶の冒頭、経済産業省関東経済局をはじめとする来賓の方々へ謝辞を述べられました。次いで、全商女性連に対し感謝と敬意を表され、大会開催地である、長野県商工会議所連合会 加藤会長、長野県商工会議所女性会連合会 室賀会長をはじめとする関係各位への感謝の辞をのべられました。更に、わが国の経済環境を取り巻く現状について、中小・小規模企業の経営悪化による倒産・廃業や雇用調整等に言及され、「内外需一体となった対策を希望します。わが国の持続的な経済成長を図るためには、一つ一つの企業、個人がしっかりと光っていなければなりません。わが国経済の大宗を占める中小・小規模企業の経営を活性化し、企業全体の底上げを図りながら、元気な企業をさらに増やしていくことが不可欠であります。そのために、われわれ商工会議所は、地域を代表する総合経済団体として、地域経済振興、発展に全力を挙げることが大切です。
そのような中、女性会の皆様には、熱気とパワーを感じております。当地長野県は、女性の社会進出において、全国第2位を誇り、大変優れた人材を輩出しておられます。全国商工会議所女性会連合会におきましては、吉川会長を中心に更に結束を強め、今回の大会を契機に一層の連携と信頼の絆を深め、地域社会や日本経済の活性化のために、従来にも増して益々の活躍と発展をされますよう、心から期待申し上げます。」と結ばれました。

長野県商工会議所女性会連合会 室賀会長は、「昨年、大会旗を沖縄大会から長野へとお引渡し頂き、ここ長野市におきまして歴史ある全国大会開催がなされますことは、大変名誉なことと存じております。信州を知って頂くよい機会でもあります。大会開催にあたり、多くを学びました。また、長野県女性会が一丸となって全国大会を成功させるために、強い連帯感が生まれました。
今日の日を、300人の会員がお待ちしておりました。「未来への風 さわやかに 長野から」をキャッチコピーとして、大勢の皆様のご協力により開催することが出来ました。信州を存分に堪能して頂き、ご参加された皆様の思い出に残るものとなりますようご祈念申し上げます」と述べられました。

長野県商工会議所連合会 加藤会長は、誠にユーモラスな歓迎の辞に加え「今の世の中は女性の時代です。女性は、精神的にも肉体的にも男性より強い。給与の均等化も進んでいる。権力を女性が握っています。本大会を推進した長野県女性会の活躍も目覚ましい限りです。また、1人の女性の購買力は、男性の10倍から20倍といわれております。物産展、また明日のエクスカーションにおきまして、長野県の名産、物産を沢山お買い上げ下さい。善光寺さんへのお参りも是非お勧めいたします。」と述べられました。

経済産業省関東経済産業局局長からの祝辞は、代理の吉澤地域経済部部長が代読されました。
要旨「第41回全国商工会議所女性会連合会長野全国大会が、盛大に開催されますことを心からお祝い申し上げます。女性起業家支援や地球環境問題への取組などを通じ、地域経済の発展に多大いに貢献されており、皆様方の日頃のご活躍に対し深く敬意を表する次第であります。
地域経済の活性化のためには、商工会議所の一翼を担う女性会が果たすべき役割は極めて重要であると考えております。商工会議所女性会連合会の皆様お一人お一人が、女性ならではの柔軟な発想と創造の精神を活かし、地域経済社会におけるリーダーとして今後ともその持てる力を大いに発揮されますようご期待申し上げます。」

長野県 村井仁知事の祝辞は腰原愛正副知事が代読されました。要旨「第41回全国商工会議所女性会連合会長野全国大会が、ここ長野の地で盛大に開催されますことをお慶び申し上げますとともに、全国各地から御参加頂きました皆様を、県民を代表しまして心から歓迎いたします。昨年来の厳しい経済状況の中にあって、中小企業の持続的発展のために、新たな付加価値の創造にむけ、チャレンジして行く事が求められております。皆様におかれましては、今後とも、交流と連携の輪を広げ、女性経営者としての豊かな感性と柔軟な発想力を発揮され、新たな時代における商工会議所の飛躍に寄与されることを期待いたします。
長野県は、豊かな自然景観、自然の恵みを存分に味わうことのできる地でございます。文化財も豊富でございます。今年の善光寺の御開帳には673万人もの多数の皆様がご来訪されました。来年は、諏訪大社の御柱大祭も開催されます。食文化、伝統文化を心ゆくまで満喫し、交流をはかって頂きたいと思います。」

続いて長野市 鷲澤正一市長から祝辞をいただきました。要旨「長野市民を代表して、皆様を歓迎致します。女性の社会的地位の向上に商工会議所女性会の活動が大変大きな貢献を果たしておられます。女性のリーダーとしてネットワークを築くことにも尽力しておられます。先ほど吉川会長が、佐久間象山をご紹介下さいましたことに大変感激致しました。皆様には、市民のホスピタリティーの心にも触れて頂きたいと思います。」

以上、皆様のご挨拶終了後、ご来賓のご紹介がありました。日本商工会議所からは、中村利雄専務理事、宮城勉常務理事が出席されました。その後、全国商工会議所女性会連合会役員の紹介があり、続いて各地の女性会が、来年開催予定地である宮崎県を筆頭に長野に至るまで、エールの交換を致しました。いつもながら、誠に圧巻です。

その後、第8回「女性起業家大賞」授賞式に移りました。最優秀賞は、福岡商工会議所の権藤光枝さん(保育サービス業)が受賞され、岡村会頭から賞状を授与されました。優秀賞は、秋山晶子さんと光畑由佳さんが受賞し、吉川会長から賞状が授与されました。それに引き続き全国商工会議所女性会連合会表彰・被表彰者名簿に則って、第2条による特別功労者、第3条第1項の組織強化が読み上げられ、代表として、松本商工会議所女性会、一関商工会議所女性会が吉川会長から表彰状を授与されました。最後に、第3条第2項による「個として光」-女性会事業表彰―最優秀賞(日本商工会議所会頭賞)に伊那商工会議所女性会が受賞し、岡村会頭から表彰状が授与されました。

第42回全国商工会議所女性会連合会 宮崎大会(平成22年10月15~16日) についての、宮崎県のプレゼンテーションが行なわれました。宮崎県女性会の皆様と、東国原宮崎県知事の映像メッセージによる、「神話の里、青い海、緑の大地 宮崎へ」日本一のおもてなしの心をもってお待ちしています。という来年も是非参加したくなるような魅力あふれるご案内でした。
吉川会長から、宮崎県女性会 高柳会長へ、女性会連合会旗の引継ぎが行われ、閉会となりました。 大会の一環として諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏による記念講演会や県産土産品を揃えた物産展も開催されました。

記念講演会 講師 鎌田 實氏

医師・作家として、また、諏訪中央病院名誉院長のほか、東京医科歯科大学臨床教授、東海大学医学部非常勤教授、日本チェルノブイリ連帯基金理事長等、多岐に亘りご活躍の鎌田先生をお迎えし、「幸せの探し方教えます」という演題での講演を拝聴することができました。テーマは、女性というものの生命のあり方についてでした。
映像では、グリーンランドが映しだされ、生命が今から約38億年前にここから始まった、という説明から、私達人間が誕生するまでに数十億年の時間を要したという話に進んで行きました。

東京医科歯科大学の三木先生という方が、母親の子宮の中でどのように人間の子供が育ってゆくのかという研究に取り組まれ、この38億年という生命の歴史を遡り、生き抜いて生まれてくるのが人間である、という発生学上の課題に回答を出されたのだそうです。
ミトコンドリアという遺伝物質は、母からしか伝わらないということから、我々の起源は、アフリカ20万年前の一人の女性に行き着くそうです。遡れば、人間は皆兄弟姉妹ということになります。鎌田先生は、ご自身の生い立ちにも触れられ、温かい心の持ち主でいらっしゃった養父母に愛されて育ったことや、周囲の人達の心の温かさについて、幼少時の映像を見ながら懐かしむようにお話になられました。
チェルノブイリ支援を16年間継続しておられることもお話されましたが、経済がちょっと悪くなったぐらいでへこたれてはならない、温かいことをすると、日本の経済は立ち直ると話されました。「ウェットな経済」を提唱されました。物やお金や健康だけでは人間は幸せではない。何かある。大切なのは、誰かの為に生きること。誰かに優しくすること。その優しさは、ブーメランのように戻って来ると話されました。最後に、長野から全国へ、温かさを広げて行って欲しいと締めくくられました。

翌日は天気も良く、歴史や文化など多くの内容が盛り込まれた県内観光ツアーが実施され、多くの会員が初秋の信州を満喫しました。

(記:中西 志保美)