1. ホーム
  2. 平成21年度 活動報告
  3. 歌舞伎座さよなら公演 八月納涼大歌舞伎 鑑賞

活動報告

歌舞伎座さよなら公演 八月納涼大歌舞伎 鑑賞

東商女性会交流部主催の観劇会が8月11日午後6時より行われました。
歌舞伎座での納涼大歌舞伎は今年20年を迎え、東京名所として歌詞にもよく登場するその歌舞伎座の建物も、2010年4月末より惜しくも建て替えになるということで、100名もの会員が参加して観劇を楽しみました。はやばやとお集まりの会員さんには、建物を背景にかわるがわる写真撮影をなさる姿もありました。
第三部はじめの演目は、谷崎潤一郎が大正時代に書き下ろした新作戯曲『お国と五平』(おくにとごへい)で、勧善懲悪の「夫の仇討ち」のはずが、やがて自己保身のための殺人行為に転じて行く主従の姿が描かれました。男女の情念、善悪の相対性、社会と個人の相克といった、現代に起きる事件にも通じる普遍的な問題に、背筋が寒くなる趣向です。
続く『怪談乳房榎』(かいだんちぶさのえのき)は、初代三遊亭円朝の口演をもとにした怪談噺で、「中村勘三郎四役早替りにて相勤め申し候」という歌舞伎ならではのエンターテイメントに、舞台の上の勘三郎丈より目が離せなくなるという一作です。女性会席もいくたびか、手品を見るかのような歓声に包まれていました。ラストには「本水」の流れ落ちる滝から、夏の宵への涼しさをいただき、皆様歌舞伎座を後にしたのでした。
勘三郎さんが口上でも述べられましたように、歌舞伎座では2010年4月まで「歌舞伎座さよなら公演」が続けられます。

(記:田中 L. 洋子)