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活動報告

東商女性会平成22年新年懇親会

1月27日、ホテルニューオータニ「鳳凰の間」において平成22年東京商工会議所女性会新年懇親会が開催されました。
多くの来賓のご参加に、粋な新内節の響き、吟味されたお料理と今回初登場の会場内撮影会といった嗜好で、新春を言祝ぐ盛大な宴となりました。

午後6時になると、開宴に先立って新内剛士氏、新内仲之介氏による「新内流し」が場内を一周。しっとりとした三味線の調べに華やかな会場は一瞬にして江戸の昔へと誘われます。

続いて人間国宝・新内節三味線:新内仲三郎氏による新内節ミニ講座がありました。新内節は260年前に京都で発祥。その後江戸へと流れ庶民の心をつかんだとのこと。今で言うところのシンガーソングライターの走りなのだそうです。

楽しいお話の後には子宝三番叟が披露され、江戸情緒にあふれた晴れやかな演奏に心を奪われました。そして最後に阿部千恵子常任理事より花束の贈呈がありました。

6時40分、司会の古谷治子理事の紹介によって吉川稲美東京商工会議所女性会会長が登壇、「皆様、新年あけましておめでとうございます。新内の音色は女性会にふさわしい雰囲気であったのではないかと思います。石原都知事、岡村会頭を始めとするご来賓の皆様におかれましてはご多用の中駆けつけていただき、心から感謝申し上げます。

昨年、東商女性会は創立60周年を迎え、11月に記念式典及び教育シンポジウムを開催いたしました。各地の女性会の皆様、そして親子の方々にご参加を賜り、嬉しい感想の言葉もたくさんいただき嬉しく思っております。これも女性会会員の皆様のご協力の賜と感謝申し上げます。さて、世の中では政権交代、JAL再建問題、また、ドイツでは今年は寒さでぶどうが枯れているかと思えば、バンクーバーでは桜が咲いて雪不足、日本の各地の大雪、ハイチの大地震など異常気象によって作物がとれない状況が続き、食糧難に徐々に移行しているように思えます。日本の自給率は12~13%と聞いておりますが、早い時期に深刻な状況に陥ることは目に見えています。しかし、元を正せば私たち一人一人の責任ではないでしょうか。今の自分は今までの思考行動の積み重ねです。今後それぞれがどのような自分の姿を創り生きていきたいのか、それは今、何に価値をおき、どのような思考で、どのような行動を積み重ねるのかに、かかっていると思います。

続いて石原慎太郎東京都知事より「新年明けましておめでとうございます。今年はやっかいな年になりそうです。生活を支えている経済が危惧状態にあります。
しかし、私たちはもっと知恵を出し合えば打破できるはずです。日本人の持っている科学技術は世界に誇るものであり、広めていくべきものであるのに何故か政治家はあまり興味を示しません。たとえば原子力。これから欠かすことのできないエネルギーシェアであり、日本も世界に売り込んでいける素晴らしい技術を持っているのにも関わらず、UAEは韓国の技術を買い付けました。これに対してフランスの新聞は「ワーテルローに負けたと同じ」と酷評しているのに、日本では気にもかけません。国内に目を向ければ国民は甘えすぎているように思います。「派遣村」に集まってきている人たちは本当に困っている人だけではありません。3K(きつい・汚い・危険)の仕事はやりたくないと職につかず生活保護受給を待つ人もいます。日本人の資質が曲がり、価値観が狂い、緊張感がなくなってきました。タガがゆるんだ日本においてちゃんとした日本人を育てる社会を構築する活動を継続されるよう、国民を代表して期待しています。」とご挨拶をいただきました。

次に岡島敦子内閣府男女共同参画局長より「お招きありがとうございます。日本ではHDI(平均寿命、識字率、就学率を基本にして指数化)が世界の中で10位にも関わらず女性が社会の中でどれだけ活躍しているかを表す指数GEMは57位です。国会議員やビジネスの世界において女性の素晴らしい力が活躍できていません。女性が持っている力を生かしていくことが大事です。女性会の皆様が力を発揮していくことが他の人に勇気を与えることになるでしょう。
また、2010年9月には日本で初めてAPEC女性リーダーズネットワーク(WLN)を開催します。これは男女共同参画社会実現のために女性達の経済活動の発展に寄与することを目的として毎年APEC議長国で開催されています。イベント・シンポジウム・エクスカーションなどを予定しておりますので、皆様にはぜひともご参加を賜りたいと存じます。女性会のますますのご発展とご活躍を祈念しております。」とご挨拶をいただきました。

東京商工会議所岡村正会頭より、「あけましておめでとうございます。本日は東商女性会新年懇親会に、多数のご来賓の皆様にご出席を得て、このように盛大に華やかに開催されますことを心よりお喜び申し上げます。
日本経済は持ち直してはいるというものの極めて自立性に乏しく、商工会議所のアンケート調査によりますと、「このまま景気が横ばいで続くだろうと予想する人」が50%、「更に二番底を迎えるのではないかという懸念を持っている人」が45%で、「今年度回復に向かうという人」はわずか数パーセントしかおられません。そのような意味で地方や中小企業の経営者の心は極めて暗いと言わざるを得ない状況でございます。わずかに中国などの新興国の回復があり、輸出や生産が持ち直しているところはあるものの、内需は依然として低迷しており先行きは決して予断を許さないという状況でございます。
加えまして常日頃申し上げているグローバル化、IT化、ネットワーク化といった大きな潮流の変化に加えまして、消費者のニーズや価値観が多様化してきております。そして、潮流が大きく変化する中で環境問題を始め、少子高齢化、財政再建、社会保障制度、といった構造的な問題をいろいろ抱えておりまして、今の政治情勢を見ても大変厳しい状況は続くのではないかと心配をしておりますが、このような中で東京商工会議所と致しましては、昨年度策定いたしました中・長期ビジョンの「企業の力を未来へ結ぶ」というアクションプランを遂行して2年目を迎えました。商工会議所が中心になって中小企業を含めた地域経済活性化の旗印を掲げ推進して参りたいと決心しているところです。
力強い経済成長に向けたイノベーションを皆様と共に推進することが求められております。女性特有のしなやかな感性と、そして既成概念や考え方にとらわれない自由かつ斬新な女性の皆様のバイタリティあふれる行動に地域活動の担い手として大きな期待が寄せられています。
皆様方の生き生きとしたお顔から、非常に力強いエネルギーとパワーをいただいております。いつもながらその力強さと輝きに大いに元気づけられております。地域社会を元気にする源泉として女性経営者ならではの豊かな構想力と行動力を存分に発揮されまして、今後の女性会活動を更に充実したものへと発展されることを期待致しております。
結びになりますが、東商女性会に置かれましても会員のニーズに即した事業を着実に推進し、展開していくためには更に結束を強められまして従来にも増して活発な活動を実行されますよう、ご期待申し上げますと共に女性会の今後のご発展と、本日ご出席の皆様のご健勝を心より祈念いたしまして、簡単ではございますが新年のご挨拶にかえさせていただきます。ありがとうございました。」とのご挨拶をちょうだいしました。

引き続き、小泉清子名誉会長から「皆様、明けましておめでとうございます。一昨年からの経済の不安定な状況は一向に良くなっておりません。私達中小企業は知恵や行動や一生懸命努力を持って致しましてもなかなか不況風から脱することができない、大変な時代を迎えております。
本年は寅年ですが、ご存知のように「虎は千里往って千里還る」という言葉があるように、その猛烈な虎に私達もあやからなければいけないのではないかと思っております。
今年もNHKの大河ドラマの龍馬伝が大変元気のようでございますが、明治維新の前の幕末時代、古い体制から脱却して新しい日本を作るという、強い信念を持って国のために命をかけて行動するという、大変高いビジョンを掲げて実行する力が今の現在の日本人に最も必要であると思われます。悲しいかな、現在の日本人は尊い日本精神を失いかけております。長い伝統に培われた尊い日本の心を蘇らせなければならないと思っております。
先日、京セラ名誉会長の『生き方』という本を読み、その中の「もし、私の成功の理由は何だと求められれば、私は、才能は不足しているかも知れないが、人間として正しいことを追求するという単純な、しかし力強い指針があった」という記述に、非常に感動いたしました。どうぞ、東商女性会の皆様も未来の美しい目標のために、誠実なる心で自分自身のためではなくて、女性会の皆様の未来永劫の発展のために全国商工会議所のモデルになるように誠実を貫き、そして、ピンチをチャンスに致していこうではありませんか。
簡単ではございますが、新年のご挨拶にさせていただきます。ありがとうございました。」とのご挨拶をいただきました。

続いて、畠山笑美子副会長より、ご挨拶をいただいた方以外のご来賓の紹介がありました。

その後、齋藤朝子名誉会長から乾杯のご挨拶と乾杯のご発声がありました。
「皆様、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。新しい年は明けましたものの、なかなか景気が回復せず、皆様は毎日大変なご努力をしておられることと思います。
ところで皆様は、内村航平さんという体操の選手をご存知でしょうか?2年前の北京オリンピックで彗星のように現れて銀メダルを取ってから、去年の10月に体操選手権ロンドン大会では世界一の金メダルを取り、2年間の間に2つものメダルを取られた方です。
その方の「北京オリンピックの銀メダルは実力以上の結果だったので、それからは自分の欠点・弱点を改良し努力を持続してきました。10月の金メダルは、「そういえば3ヶ月ほど前にそんなことがあった。」程度のものです。私は常に前しか見ておりません」というインタビュー記事に感銘を受けました。
経営ではいつも前しか見ないというわけにもいきませんが、自分の会社の欠点や無駄なもの・無理なものを毎日改良するということがとても大事だと思いました。
いつも岡村会頭がおっしゃっています、「個が光るイノベーション」ですよね。改革です。みんながそういう気持ちでいつも改革を忘れずに維持するという才能を身につけましょう。この一年間、元気で前進していきたいと思います。」とのご挨拶のあと、お正月らしく「おめでとうございます」で杯を上げました。

その後は、会食・懇談の時間となり、その間に、ホテルニューオータニの宴会料理長より本日の懇親会のために特別にお作りいただいたメニューの説明の説明、阿部千恵子常任理事より女性会常任顧問・顧問・相談役の紹介、新井英希理事より新入会員の紹介が行われました。

会の終盤には、保田和江理事の司会によりお楽しみの抽選会が行われ、今年も多くの役員の皆様からご協賛いただき、当選番号が発表されるたび会場からは歓声があがりました。

最後に井上象英副会長より「今日のこの懇親会を皆様で盛り上げていただきありがとうございました。今年は庚寅(かのえとら)という年。庚は煌々としてその身を象るとあります。寅とは虎。ウ冠りは館で中の字は人が手を合わせ謹む姿を意味しています。中国の古文書には、物が豊かに実ることを、家の中で謹み願う年と解説されています。今年は景気回復の年となりますよう、心から祈念しております。本日はありがとうございました。」との閉会の辞で盛会のうちに会は終了しました。
最後に、今回から撮影した写真をその場でプリントし販売するという試みを開始致しました。「撮影コーナー」での写真や各テーブルでの撮影など、記念となる写真がその場で購入できることに、たくさんの皆様が喜んでくださいました。

(記: )