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活動報告

「中山恭子内閣府特命担当大臣」の高話を拝聴する会

開催日時:平成20年9月4日(木) 13時半~
場所:内閣府特命担当大臣室にて

13時15分、社会貢献部メンバーを中心とした18名は内閣府の入り口でIDカードを受け取り、内閣府庁舎のゲートをくぐりました。
そして控え室にて待機後、大臣室にて、中山大臣はじめ担当事務官・秘書官の方々のお迎えをうけることになりました。
そして、大臣との名刺交換の後、吉川会長の司会進行のもと、大臣や担当事務官の方からお話しをいただくという形で会が進められました。

まず大臣から、内閣府特命担当大臣とは、内閣府の一員として複数の官庁の管轄にまたがるような特定の重要政策を統括する大臣のことで、具体的な担当分野には、少子化対策・男女共同参画・拉致問題の3本柱があるという説明をうけました。
次に、少子・高齢化対策第1担当参事官の川又 竹男氏より、あらかじめ社会貢献部より提出した質問に対する回答を総括した現状について、以下のようなお話しをいただきました。

保育所の待機児童の数は、ここ数年減少の傾向にありましたが、今年5年ぶりに増加し、現在待機児童数は2万人に上ります。ちなみにこの数字は都市部の数字で、山梨などでは待機児童数は「0」となっております。この原因は、地方では2~3世代同居が少なくないことがあげられます。
現在「待機児童ゼロ作戦」と銘打って、概算要求にて保育園の設置等費用数百億円の予算を計上しています。

中山大臣からは「子供をみんなで支えていく社会を作っていくために、ここでは他省庁を絡めた対策と事業を提案していく仕事をしています。たとえば、経済産業省へは商店街の活性化から子供を預ける拠点作り。厚生労働省へは出産までの費用をすべて捻出してもらい、生まれてからは他の省庁へとバトンタッチし、子育てがしやすい社会になるよう、日本として子供をどうやって育てていくかを考えるのが私達の仕事です。」と説明がありました。

男女共同参画事業については、坂東 久美子内閣府男女共同参画局長から女性の活躍の場について以下のようなお話しをいただきました。

昨今、企業などでの女性の活躍はめざましい物がありますが、NPOや自治会などで女性が代表を務めていることは非常にまれです。東京などは比較的多いと言えますが、それでもまだまだです。ただ、女性が活躍している地域では女性議員の選出が多いという例もあることから、今後は整備基盤を作るためのきっかけ作りをしていきたいと思っています。地域での女性のネットワークを充実させて、課題に一緒に取り組んでいくことがエンパワーメントにつながると。
女性の活躍については、今までは意識啓発に重点が置かれました。それを第1ステップとするならば、今後は第2ステップとして、環境・地域などに女性が参画していく取り組みの推進を行っていきたいと考えています。女性には地域コミュニケーションの核となって欲しいのです。
2010年に、各国持ち回りで開催されているAPECの女性リーダー会議が、日本で開催される予定ですが、これはできるなら民間中心で開催して欲しいのです。しかし、残念ながら日本にはまだその受け皿がありません。各分野で活動している女性リーダー団体の、横の連携がないのです。東京商工会議所女性会の皆様にぜひその際の中核を担ってのご協力をいただきたいと思います。

ここで大臣の話しは女性のワークライフバランスへと移ります。

ワークライフバランス(仕事と生活の調和)の考え方は、ヨーロッパでは既に取り組まれおり、既に長くその国策を実行してきたスウェーデン人は今、自分の国を「子育てがしやすい国」だと言っています。一方、アジアではまだまだです。それは、まだまだ仕事と家庭・子育ての概念が乖離しているせいで、日本人にも自分の国を「子育てがしやすい国」だと言ってもらえるようになりたいのですが、残念ながら今は社会が子供を育てる感覚が希薄になっています。

ここで吉川会長から、ある事例が紹介されました。

ある商店街では空き店舗を利用して、女性会メンバーが当番制で子供を預かるという試みが行われました。しかし、皆さんいずれも仕事を持った方で、ボランティアを間断無く予定を組んで続けることは難しいのです。続けることが社会に浸透する大切な条件なのに、途中で中断せざるをえなくなるのは、残念です。基礎になる部分だけでも予算を取って、続けやすくしてもらうことは難しいのでしょうか?

大臣からは、そのしくみをきちんと分析して信頼できる体制がある裏付けを取り、その中で国民の声を聞くことができれば、国はもちろん地方交付税から捻出してもらうことも可能だと思います。事例があるのなら、実際に伺ってヒヤリングして調査をして参りたいと思います。との回答をいただきました。

その後は、「一人の子供が生まれたら、たくさんの大人の目が注がれる社会を取り戻す」ということで、会員の皆さんからも「都市部での共同住宅問題を改善し、年寄りの目が子供に注がれ、子供が年寄りの話を聞いて育つ環境作り」「ちょうど子供の祖母層年代の女性達が、体力的にも社会的状況においても変化し、その思想も昔と異なってきて、世代に受け継ぐというより、自分が楽しみたいという個人中心になった」「少子化に関しての男性の概念は?」など、忌憚のない意見交換が行われ、充実した時間を過ごすことができました。