平成19年5月29日、第1回に引き続き、流通・マーケティングの専門家、安島幸雄講師が、米国小売業の発展史とその特色を日本の小売業界と比較しながら、分りやすく説明してくださいました。今回の参加者は52名でした。
90年代、下層階級に常時低価格品を提供することで、一気に小売業界トップとなったウォルマートは、カテゴリーの枠を超え巨大なコンビネーションストアとして、売上高42兆円(2007年)にも達し、各業界に多大な影響を及ぼしています。米国の小売業は、日本と異なり、倉庫・デリバリーまで自前で行い、ウォルマートは現在、高性能端末を積んだトラックや各店舗に至るまで、航空宇宙局レベルの情報機能を使って結び、同時に在庫管理出来る情報システムも 構築中です。また扱う商品の規模も大きく、ホームセンターでは、自分で家一軒建てるものが全て揃います 。
しかし、本来小売業はドメスティックな業界で、外国においては、居住者と購買者の顔を知る必要性上、販売を現地人に任せたほうが良い場合が多く、さしものウォルマートも、ドイツから撤退を余儀なくされています。
中国に進出したヤオハン等は、問屋システムがない所での全国展開に無謀さが見え、これまた早々に撤退したのは、周知の事実です 。
日本で流通革命を起こした中内功氏は、当初の業績に反し、人間不信に伴い、土地神話に過度に依存し、ダイエーを巨額負債ストアにしてしまいました。
以上のような内容を、ユーモアを交えながら2時間にわたってお話し下さり参加者の多くが楽しむことが出来ました。
次回は7月4日、いよいよ最終セミナー「流通史から見る日本のビジネス~新旧の利点と欠点~」です。乞うご期待!!
(記 藤岡 実佐子)