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活動報告

新年懇親会

平成20年1月24日
ホテルオークラに於いて

昨年の秋、斉藤朝子前会長より吉川稲美副会長が会長を引き継ぎ、井上象英新副会長、阿久津扶見新副会長、以下常任理事5名、理事23名、監事2名の新役員も加わった新体制で出発した東商女性会は、初めての全体会、新年懇親会を開催しました。

当日、石原都知事を初めとし、岡村会頭、副会頭、支部の会長等のご来賓、また会議所の役員の皆様がご参加下さいました。

第1部 ウエルカムコンサート

我人(おらんど)による津軽三味線5重奏ユニット。新年にふさわしく、日本の伝統を受け継ぐ若者達のエネルギッシュなパワーに会場からも拍手や手拍子が上がり、日本の未来に希望を感じさせる幕開けとなりました。

第2部 懇親会

今年の司会進行は、安楽淳子会員が務めました。

始めに、挨拶に立たれた吉川会長は、女性会の活動を「交流」「研修」の継承する部分と、「社会貢献」「ビジネス事業部」を加えた4部体制で展開し、その基本理念に「報恩」「感謝」「育成」を据えて行きたい。更に、地球環境の変化から起こる異変などに対し、女性が持っている本来の能力である「協調」「順応」「包容力」「忍耐力」「育む力」などの女性の特質を発揮すべき時ではないか、と抱負を述べました。会場は、新体制への励ましと期待の拍手に包まれました。

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続いて、石原都知事からは、科学者などの話を例に挙げ、地球温暖化問題について、人類初めて遭遇するであろう試練に向かいつつあるので、子孫のためにも本気で考えていかなければならない時期であると、危機感を述べられました。

石原都知事のスピーチの詳細はこちら

板東久美子内閣府男女共同参画局長からは、我が国は女性達の仕事と家庭を両立していける条件整備・環境がまだまだ不十分である。仕事と生活の調和・ワークライフバランスが政府のなかでも大きなテーマとなっている。東京商工会議所及び女性会でもこの問題に積極的に取り組んでいるので、いい形でパートナーシップを取らせていただきたいと挨拶がありました。

続いて岡村正東京商工会議所新会頭からは、昨年11月に就任した時に掲げた「個が光るイノベーション」について、技術革新だけではなく、社会の仕組み・経営の仕組みそのものを変えて行くという心を持たないと日本の企業・産業は成長しない。また、環境問題やワークライフバランスなどの問題に対して、女性経営者から見た提案をお願いし、その意見を参考にして提案活動なり支援活動を続けて行きたい。日本の女性経営者の起因力として、大いなる力を発揮していただきたいなどの女性会への期待のご挨拶がありました。

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続いて小泉清子名誉会長からは、地球・世界が不安であるなか、自身が携わっている大河ドラマの主人公の生き方を例に挙げ、その生き方にあやかり、これからの時代の流れをキメ細かい感性で信念を強く持って、希望をいただきながら生き抜いていかなければならない。と力強い言葉で挨拶がありました。

小泉名誉会長のスピーチの詳細はこちら

さらに斎藤朝子名誉会長からは、女性会のネットワークを通じて、この一年をいい年にし、皆様の活躍と、企業のご繁栄を祈念します。と乾杯の挨拶をいただきました。

懇親会では懐かしい方々の再会で話も弾み、新旧会員の皆様のご歓談も終始和やかな雰囲気のなか、恒例のお楽しみ抽選会が行われました。今年も沢山の役員の皆様からご協賛いただき、当選番号が発表されるたび、会場からは歓声があがりました。

最後に井上象英新副会長が、干支が一巡し、新しく子年から始まる歳、女性会の新体制もスタートしました。ご参会下さった300名もの皆様に感謝いたします。と閉会の挨拶をいたしました。

吉川稲美新会長ご挨拶

 皆様改めまして新年おめでとうございます。
皆様におかれましては、新年をいかがお迎えになられましたでしょうか?
 今年、東京商工会議所は130年を迎え、また女性会も59年を迎えます。
私は昨年11月斉藤会長の跡を継いで女性会七代目の会長に就任し、本日の新年会が就任後、初めての全体の会合でございます。
今回は役員と有志の方々の協力で進めて参りましたが、準備の時間も無く、どのような事になりますかと案じておりましたが、 本日はこうしてたくさんの皆様方にご出席を戴き、大変嬉しく思っております。
 その上、本日は、石原東京都知事を初めとし、板東久美子内閣府男女共同参画局長といったご来賓の皆様、そして岡村会頭を初め副会頭の皆様、各支部の会長様、また中村専務理事を初めと致しました会議所役員の皆様、皆々様がご多用の中お出かけを戴きまして、本当に有り難く感謝の思いで一杯でございます。さて私は、これからの女性会の活動を「交流」「研修」の継承する部分と、新たに「社会貢献」「ビジネス事業部」を加えた活動を展開していきたいと考えております。そしてその行動の基本理念を「報恩」「感謝」「育成」に据えて、参りたいと思っております。

 昨今の地球環境の変化から起こる異変、信じられない事件の数々から察する人心の崩壊、経済におきましても原油の高騰や特に新年以来、株価の大暴落等々、挙げたらきりがないほどの世界的経済の不安感、こうした諸々の現象は、私たちに地球の危機、人類の危機を教え、人間としての生き方を根本から考え直す時と教えてくれているように感じます。
人間のエゴや競争心、目先のことのみの損得勘定の競争原理が、今日の破壊を生み出していると思えてなりません。

 私はこうした状況だからこそ、今こそ、女性が本来持つ力、能力、それは「協調」「順応」「包容力」「忍耐力」そして「育む力」等々の女性の特質を発揮すべき時と思うのです。
 今更このようなことを・・・と思われる方もいらっしゃるかも知れません。しかし私は、日々の地道な努力を重ねることが自分を育て、人を育て、結局は、実践者が道を切り開く事になるのだと思います。
 そしてこのことこそ、岡村会頭が掲げられました「個が光るイノベーション」の、女性にとっての「個が光るイノベーション」(勇気ある挑戦)ではないかと思えるのです。
 何かを付け加えるのではなく、本来有るものを磨き輝かせること、こうして自分自身の内面を育て、人間の器を広げ輝いてこそ、はじめて仕事の幅も広がるのではないでしょうか?
出会いは人を育てるチャンスなのだとも聞きます。
 女性会での出会いを、お互いに向上心を持って自己研鑽しながら、皆様と力を合わせて活動を展開しながら、周りの方々に良い影響を与えられるような女性会にしていきたいと思います。

 本日も私たちはおいしいお料理に恵まれ、そしてこのように素晴らしい会場や出会いも戴いております。お互いに総てに感謝をしながら、これからのことについて、それぞれのテーブルでお話し合いをして戴きながら交流を深め、楽しいひとときをお過ごし頂けましたら幸いでございます。
 結びにあたり、本年が安全で健やかに無事で、そしてまた本日ご出席頂きました皆々様にとりまして、本年末には、それぞれが確かなる自己の向上が感じられるような、心豊かな、充実した一年で有りますよう祈りながら、私の挨拶とさせて戴きます。

(記:大津 洋子、伏家 ひろ美)

石原慎太郎東京都知事 ご挨拶

 本日はお招きいただきありがとうございます。
私と吉川新会長は不思議なご縁で、私が国会議員の頃から若手の経営者が私の会を作ってくれまして、その中で紅一点のメンバーが新会長でした。その頃からのおつきあいで、今日は新会長に就任されたということでお祝いを言いに参った次第です。

 新年ですからおめでとうと言いたいのですが、年を重ねることに私は大きな危機感を感じてなりません。これは主に環境問題が原因でしょうが。
25年くらい前、東京で宇宙物理学者として有名なホーキング氏の講演に行きました。宇宙にはブラックホールという不思議なすごいエネルギーを持った非常に質量の高い空間があることを証明したのがこの学者です。
 講演中、「地球くらい文明が進んでいる星がいくつくらいあるんでしょう?」との聴視者からの質問に「現段階で200万くらいあるでしょう。」と即座に答えたので驚きました。そうしたら誰かが「そんなに数があるなら、実際に私たちが宇宙船やらを目にしないのは何故か」と質問をしたんです。
 ホーキング氏は、「あることはあっても、そんなところから地球に飛んでくるまでに、そうした文明を持った星というのは、自然の循環が非常に悪くなって宇宙時間で見ると、ほとんど瞬間的に消滅します。」と答えました。すると別の誰かが、「宇宙時間でいう瞬間とは地球時間にするとどのくらいのものか」と質問しました。これまた言下にホーキング氏が「100年くらいでしょう。」と答えたのです。

 それから25年経ち、今、地球では温暖化という非常にやっかいな現象が起きています。
 先日東大で生産技術を研究している山本良一教授と話す機会がありまして。彼が『1秒の世界』というおもしろい本を書いております。
 この本を見ますと、この文明の進んだ地球上で1秒の間に何が起こっているかということをデータとして示しています。たとえば、わずか1秒間の間に、140万人の人間が1日に必要とする710トンの酸素が減少している。大型トラック630台分の化石燃料が消費されている。テニスコート20面分の原生自然林が無くなっている。2300平米の土地・耕地が減少している。1.3台の自動車が作り出されている。同時に1秒間に0.4人が餓死している。ということは、2.5秒に一人、世界中で飢え死にしているということになります。
 こういう状況がどんどん進むと、スイスのローヌ氷河が10km先まで無くなり、次に北極の氷が溶け出す。今年の夏は5300平方キロの氷が溶けました。冬になって戻るだろうと思ったら、4700平方キロしか戻らない。NASAのジェームズ・ハンセンという有名な物理学者は、このままで行くとあと18年で北極海の氷が無くなると報告しています。そんな中、北極海を挟んでいるアメリカとロシアとカナダが、氷が無くなったらまた石油と天然ガスを掘ろうとしています。ますますCO2を出すようなことを・・・。
 私は昨年夏に南太平洋の小さな島国のツバルという国に行ってきました。これだけ氷が溶け出し、水が増えると地球全体が沈没していますから、赤道付近の島国などが一番影響を受けてどんどん水没して行きかねない。あと50年ほどで水位が後2~3m上がるといわれています。東京や上海やニューヨークなど海に近い大都市は大変なことに。

 経営者の皆さんなら自分の社員、自分の企業の中で努力されるのは当たり前のことですが、もっとそれを超えて本気で25年先、この地球上の人類はどうなるかということを考えていただきたい。
 あと10年経つと大飢饉が予想されている。今でも2.5秒に一人が餓死している状況の中で、次の氷河期に向かう前兆だ、という学者もいますが、ここら辺で相当なことを考えないと。これは本当にやっかいなことになりました。
 実際に学者は、あと5年でくるといってるんですから。今、本気で取り組まないととんでもない取りこぼしをしかねない。人類が初めて遭遇する危機に、みんなでお互いにどう立ち向かうかを考えないといけない時代になったということです。

 私は亡くなった小説家の開高健と親しかったのですが、彼は、好きだったポーランドの詩人グオルグの一説を良く引用していました。
 「たとえ明日地球が滅びるとも、君は今日リンゴの木を植える」という本当に美しい志、美しい言葉ですね。私はこの言葉に感銘を受けました。
 今人間がその気にならないと、25年先私たちの子孫、その後の子孫は難しいかもしれない。あらゆる改善策を探り、実行しなければならない。
 その選択を今強いられていると実感して過ごしています。それぞれが、それぞれの場所でできることをお子さん、お孫さん、ひ孫さんのために考えようじゃありませんか。
そういうときが来たと思います。

終わります。ありがとうございました。

(記:林 香都恵)

岡村正会頭 ご挨拶

 皆様、あけましておめでとうございます。このように華やいだ席にお招きくださいまして、私も東商の一員でありますけれども、今日はゲストとしてお招きいただいて、この会を楽しませていただきたいと思います。また、石原都知事、そして今ご挨拶いただきました坂東内閣府男女共同参画局長の参加をいただきまして、このように華やかに新年祝賀会が行われしことを、心からお慶び申し上げたいと思います。

 さて、経済情勢でありますけれども、申すまでもなく波乱の幕開けとなってしまいました。日本の将来においての不安を感じずにはならないというところでございますが、しかしながら、日本経済とはそれほど弱いものではありません。非常に強い層を持った経済でありますし、政府が、あるいは我々が、一体となってこれから、今日から取り組めば、必ずや今年の半ば過ぎには、再び大きな回復の方向に向かうと確信いたしておりまして、決してこの株価の動きによって、我々が一喜一憂することもなく、我々のやるべきことを整然とやる、ということが最も必要なのではないかと思っております。

 昨年の11月に就任いたしましたときに、「個が光るイノべーション」ということをあげさせていただきました。イノべーションを「技術革新」という風によく訳されますけれど、私は決して技術革新だけではなく、対社会の仕組み、経営の仕組みを、思い切って変えていくと、そういうイノべーションの心を持たないと日本の企業は成長しない、産業も成長しないという思いが強く心にございます。商工会議所としてもひとつひとつの企業がいかにして輝くかということをベースにして、これからも活動を続けるべきだと、役員一同決意を新たにして、本年度も取り組んでいきたいと思っております。

 東商女性会は、昨年の秋に、吉川新会長がお就きになりまして、新しい体制での活動を開始される、非常に心強い限りでございます。これからは、先ほどの、石原都知事のお話ではありませんが、女性経営者から見た社会問題、環境問題、ワークライフバランスの問題に対しまして、女性経営者の目から見たご提案を是非お願いしたいと思います。そういうご意見を参考にして提案活動なり、支援活動を続けて行きたいと思っております。是非日本の女性経営者の起因力として大いなる力を発揮していただくことをお願いいたします。

 130年を今年、東商は迎えます。今週の初めに東商ビルに、渋沢栄一爺の「企業と社会を結ぶ組織でありたい」という願いをこめた大きな懸垂幕を下げました。加えて2016年オリンピック招地に向けて東商もしっかり協力をしていく、23区の発展のためにぜひとも招地をしたいと思いをこめて、その渋沢栄一爺の「結ぶ」ということと、そしてオリンピック招地ということを今年から大きく掲げることといたしました。
 簡単でございますけれど、ご挨拶に変えさせていただきます。本日は、おめでとうございます。

(記:奥永 久美)

小泉清子名誉会長 ご挨拶

 皆様、先ほど石原都知事が、お正月でおめでたいけれどもめでたくないというお話を承りまして、確かに本当にうかがうとその通りだと思います。でも商工会議所全体にとっては、新しい岡村会頭を迎えまして、また、新しい吉川会長が誕生しまして、皆様新しい役員の方、会員の方が一致団結してこれから一所懸命、再出発しようということに対して私はおめでたいと思います。改めて、新年明けましておめでとうございます。

 もうすでに始まっている、大河ドラマ「篤姫」でございますが、久しぶりに日本女性の活躍、素晴らしい女性のドラマでございます。将軍家定の御台所になり、そして、天璋院になるまでにそれはつらく茨の道を潜り抜け、そして針の筵を踏んでいたに違いないと思いました。14代将軍の御台所の和宮とともに、江戸城無血開城を成し遂げた幕末の激動の時代に、埋もれていた女性の行動力そして、忍耐力はどこから出たのでしょうかと私は思っております。私がこの「篤姫」の衣装考証家としてこの台本を読んでいるうちに、非常に感動したことがございました。それは篤姫が実家を出るときに、菊本という乳母が、言った言葉です。「女の道は一本道でございます。定めに背き引き返すは恥でございます。」この言葉を篤姫は心の底に持ち、貫き通したわけでございます。常に前向きにして、そして、天下国家のために尽力した篤姫の本当に大変な幾多の道を歩んできた生き方に、私たちはあやかって、生きていかなければならないし、これからの時代の流れを脈深い感性で信念を強くもって生き抜いていかなくてはならないと存じております。

 特に今の世の中は、先ほど石原都知事が申されたように、地球が不安です。それから、世界が不安です。日本経済も不安だと思います。今私たちはその不安によって、希望をどこに求めてよいかわからないという時代でございます。自分自身がどうしたら希望が見出されるかという、そして自分自身の知恵と行動で、切り開いていかなければならない世の中になってきたと思っております。今年はねずみ年ですから本当は繁栄の年なのでございます。国の繁栄になるかならないかは、わかりませんけれども、私たち女性経営者としてしっかりと希望を抱きながらこれからも歩いていきたいと存じますので、皆様ご一緒に本当によろしくお願い申し上げる次第でございます。どうも有難うございました。

(記:奥永 久美)

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