-講演会-テーマ『子どもが減っても大丈夫な社会を』2005年8月2日(火)17:30~19:30
はじめに吉川副会長の司会で開会、斎藤会長より「講演のテーマには興味があり、楽しみにしています」とご挨拶がありました。次いで吉川副会長が「少子化問題委員会 講演会」の開催についての趣旨について話され、「今講演を皆様、ぜひお聞きいただきたい」との話がありました。
講師の赤川学先生は、信州大学人文学部の助教授をされ、ちくま新書からも著書を出されている方。(1)男女共同参画が実現すれば少子化を妨げるという主張には「実質的な根拠」が乏しい。(2)男女共同参画は、仮に少子化を進めることになろうとも、「選択の自由」と「性の平等」を保障するという観点から必要である。(3)少子化の弊害を出生率回復によって克服するのではなく、「少子化を与件とした制度設計」によって対応すべき。(4)とくに選択の自由と負担の公平という理念に基づいて、年金制度と子育て支援を再設計すべき。という大きく4つの内容について話され、現在施行されている「少子化社会対策基本法」「次世代育成支援対策推進法」になどにもふれ、各国の出生率と子育て支援、働く女性の地域ごと出生率など、具体的なデータをレジュメで示しながら話が進んでいきました。
子どもが減る(人口が減る)ためにおきる社会への弊害、経済成長の現象・年金に関わる問題などをどうしたら解決していくのか、私たちがどうとらえて関わっていくかで、この問題を考えることが大切。結論として(1)性からの自由、(2)性への自由、(3)「性への自由・性からの自由」、がともに制度的に保障されてこそ、自由で公平な社会。そういう社会が男女共同参画ができる社会である、という内容でした。講演後は質疑応答の時間が設けられ、二人の会員からの質問に対し先生からのコメントをいただきました。
最後に吉川副会長から「いろいろな講演・意見をお聞きし視野を広げ、来年まとめる時に、女性会ならではの提言をしていきたい」と閉会のご挨拶がありました。
(記:相坂柚火子)