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活動報告

東商女性会70周年記念視察会 ― 3.11を忘れない 仙台女性会との交流会 ―

2018年9月17~18日、東京商工会議所女性会の創立70周年記念視察を実施しました。

東京駅出発風景
伊達政宗公騎馬像

初日、仙台駅に着いた私たちは、仙台女性会の方々のお出迎えを受け、市内を巡りました。
東北大百年記念川内萩ホールで鑑賞したエストニア国立男声合唱団は、深い森に降る慈雨が、心身に染み入るような深く美しい声で、古典と、現代作曲家による斬新な曲を思いもよらぬアレンジで堪能しました。特に「牧童の呼び声」では、荒れ野で羊を追う生活の情景が、見えるようでした。コンサート後半には、なんと客席の東北大合唱団OBらが立って、郷土の漁り歌「斎太郎節」の返歌があり、仙台公演ならではの感動でした

東北大百年記念ホールでのエストニア国立男声合唱団公演

そのあと仙台女性会の方々と、一般観客では経験できない出演者とのレセプションにも参加し、それまでの国際交流の輪が、海外からの復興支援の絆となった実例を見た思いでした。
その夕刻、ホテルモントレーでの東京・仙台女性会親睦会は、地産の食材による料理をいただきながら楽しく始まり、やがて共に街にくり出し、夜が更けるまで歓談が続いたのでした。

仙台女性会の皆様

二日目の震災遺構視察では、2011年3月11日に爬行高度40m近い津波に襲われ、今もまさに復興中の南三陸の町をバスで視察しました。
津波で多くのご友人を失ったという若い語り部さんは、何気なく「まだ全て工事途中なので、ナビを使うと道に迷う町です。」と笑うのですが、自分の故郷を自分で守るという、その決意はどんなに凄いことかと思います。
小高い丘の上では小学校校舎の時計が、津波に呑み込まれた14時48分で止まっています。そこで話される被災時の悲喜こもごも…。それはニュースなどでは放映出来なかった生の声でした。「さんさん商店街」も、何もない荒野に忽然と現れる西部劇の町のようです。
少しでも地盤を高くするため積み上げられた土の高さと量、以前の町の上に全く違う町を作るという大工事からは、そこに至るまでの人々の想いと力を感じ、声が出ないほど胸を突かれました。

語り部の青年は津波で友を失った
南三陸サンサン商店街

ホテル観洋の「おかみの震災講話」では、従業員を、避難者の人命を、そして地域の未来を守るために心を奮い立たせ、災害発生時から現在に至るまで一歩一歩を進んできたおかみの、経営者としての決断をお聞きすることが出来ました。人が支えあうと、これほどまで強くなれるのだと感じる一方で、自分がその立場であったらどのくらいのことが出来るだろうかと、大きな揺れに驚いた、東京でのあの日を振り返りました。

南三陸キラキラ丼
南三陸ホテル観洋 阿部憲子氏講話

充実した時間はあっという間。帰りの仙台駅にも、仙台女性会会長と名誉会長がお見送りにいらして下さり、私たちは「次は他のだれかを誘って、仙台や三陸にまた来よう。」という気持ちを新たにして帰路に着きました。

(記:会員交流委員会)

〔なお本行事は、参加者集合写真など入り、70周年記念事業で再特集されます〕