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活動報告

研修委員会主催 聞いて知って得するコーナー
~丸田清美氏による東日本大震災の被災状況報告と知っておくべき土地の登記について~

日時 平成23年5月17日18:30~20:00
場所 東商ビル401会議室
講師 研修委員会委員 丸田 清美 氏

 5月17日、東商ビル401会議室で開催された研修委員会の席上で、毎回行われることになった『聞いて知って得するコーナー』の第一回目に丸田清美氏より、東日本大震災での土地の測量や、土地の登記の事で、今回、みなさんに知っておいてもらいたいこと、というテーマでご講演いただきました。

 「私は土地家屋調査士業・測量士業の仕事をしております。
今回の震災におきまして阪神・淡路大震災の時の教訓が活かされたことがあります。阪神・淡路大震災の時には、ボランティアの人たちによって土地の境界杭が沢山、抜かれてしまいました。境界杭が残っていれば、復興はもっと早かったのではなかったのかと、いわれました。
測量は復興の一歩と言われます。

 今回は監督官庁である法務省から各地方自治体へ通達文書が素早く発信され、自衛隊や被災地ボランティアなどにも、しっかりと通達された為に80%の杭が助かりました。このような震災時に限らず土地は大切な財産です。境界杭は是非大切に扱ってほしいと思います。また「お互い様」の気持ちを持って境界確認の立会いをお願いしたいと思います。

 関東大震災や東京大空襲のおり、自分の家や土地を失ってしまった人がいます。そのような経験を踏まえて不正登記を提出させないために特例措置が設けられました。被災され避難をされておられる方々は避難している先の登記所に出頭して、統括登記官の審査を受けてから管轄法務局に書類を回して頂けます。これは法人登記、法人の印鑑証明も同じです。

 さて、東北管内の土地家屋調査士でも行方不明の方々が、当初、大勢おられました。咄嗟の時に無事を確認できるのが携帯電話の災害伝言板と連絡網でした。私は女性会にもこのようなシステムがあればと思います。

 仕事上で絡んでいた場所に茨城県の鹿島港がありました。震災前と震災後ではだいぶ様子が異なり、8棟建っていたボートの係留所のうち7棟が流され、残り1棟も半壊の状態でした。震災前に測量したポイントは液状化と津波の影響を受けて無くなっていました。湾内は液状化、そして鹿島港湾は、震災のおり7.5mの津波に襲われていました。途中の道路は地割れの為に16cm以上ずれていました。東北の被災状況はマスメティアによって多く伝えられていますが、関東の茨城や千葉も相当被災しています。東北の被害状況があまりにも甚大な為に、伝わらなかったのでしょう。

 土地というものは住む人たちの心がしみ付いています。離れたくなくても、離れなければならなかったり、とさまざまな思いがあります。今回の震災は、がれきの撤去作業に6年、がれきを撤去しなくては測量は難しく、そのがれきが撤去されてから、また、4~5年の月日が測量や登記の申請に費やされるでしょう。このたびの震災復興には20年はかかるのではないかとの声が多く出ています。長期に渡る震災復興となりますが、自分が社会に貢献できる仕事についている事、また、ついてきた事を、とても誇りに思います。震災復興は地元で、という事が原則です。それは、自分達の復興は自分達の手でという事と同時に、地元での雇用の増大につながるからなのです。これから長きに渡る東日本の復興、その時だけではなくてかかわり続ける事が大切であると思います。

 『杭を残して悔いを残さず』

 この言葉を皆さん忘れないでください。」

(記:研修委員会)