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活動報告

関東商工会議所女性会連合会・東京商工会議所女性会共催
齋藤 孝 氏 講演会「人間関係をつくるコミュニケーション力」

日時:平成24年3月16日14:00~15:10
場所:東商ビル 東商ホール
講師:明治大学文学部教授 齋藤 孝氏

 春とは言えまだ肌寒さの残る3月16日、熱気あふれる東商ホールに明治大学文学部教授 齋藤 孝氏をお迎えして、関東商工会議所女性会連合会・東京商工会議所女性会共催講演会が開催されました。

 初めに、小泉清子関東商工会議所女性会連合会会長より「本日はお忙しい中、お出かけいただきましてありがとうございます。齋藤先生は『声に出して読みたい日本語』がベストセラーとなりました。経営者にとってコミュニケーション力は大切なもの。どんなお話をいただけるのか楽しみながら勉強したいと思います。」と開会の挨拶があり、齋藤先生が登壇されました。(以下要約)

 「私は大学で教師を養成しており、コミュニケーションのポイントは身体だと教えています。その人の身体で教室の雰囲気が決まるのです。
 男性に比べて女性の方がコミュニケーション偏差値は高いのです。だから女性が男性に優しくしないと男性がかわいそう。女性の方は威張らないでください。人の話を聞かない、質問もしない、自分の話だけをする。これではコミュニケーションになりません。
 話をするときは相手の土俵で話してください。例えば源氏物語の専門家と話をするときには源氏物語の話をして、質問をして、反応してください。それが勉強になるのです。
 新しいことに関心を持てばボケません。新しいことがわかったら驚いてください。自分自身が驚かないと相手に伝わらないのです。
 それには自分のテンションを上げましょう。人と会うときは軽くジャンプしてから会うといいです。身体をほぐすことで反応もよくなり、肩胛骨を動かすと息が継げてにこやかになります。

 さて、日本人の性格の特徴は押しが弱いことです。すぐにあやまってしまう。お金を払う時にもすみません、と言う。とりあえずあやまる。これが穏やかな国を作り上げてきました。
 では、何故に押しが弱いのか。世界地図を思い描いてください。日本は大陸の端っこにあります。押しが弱くて押し出されてきた世界中の人たちが逃げて逃げてたどりついたところが日本なのです。
 押しの弱い民族のコミュニケーション方法は相手の話を聞いて、懐に入って話をする。日本語が日本を作っているのです。いわば日本語を使わないと日本人にならない。日本語の返事のイエス・ノーは相手の声や表情とセットになっていて、それを読み取らなければコミュニケーションになりません。
 日本語には一音一音に雰囲気があるので、コミュニケーションを学ぶにはちょうどいいのです。私はNHKの「にほんごであそぼ」というテレビの幼児番組で万葉集や芭蕉の句を子ども達に伝えています。お陰様で‘寿限無’など名文を言える子どもも大勢います。中原中也の‘サーカス’は目をつぶって聞くと映像が心の中に広がります。

 そして1分で大切なことを伝える訓練をしましょう。ストップウォッチを使って15秒で1ポイント、1分間で3つのポイントをまとめます。みんなが心がければ会議が濃く、短くまとまります。
 ここで、平家物語から那須与一の話を音読してみましょう。日本語の古文は音読しないとわかりません。おへその下に息をあてるように力強く音読します。
 次に‘弁天娘女男白浪べんてんむすめめおのしらなみ’の一節です。歌舞伎の口調に合わせてみましょう。
 みんなが自分の持っているものを出し合えば交流がうまくいきます。短い時間ではありましたが、何かひとつは持って帰っていただけたらと思います。」と結ばれました。

 最後に、吉川稻東京商工会議所女性会会長が齋藤先生のお話の通り、軽くジャンプしながら登壇し、「舞台の端から端まで使っての楽しいお話をありがとうございました。今日のお話を会社で生かしながら有意義に過ごしていきたいと思います。」と挨拶があり、名残を惜しみつつも閉会となりました。

(記:広報担当)