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活動報告

東京商工会議所女性会平成23年新年懇親会

 1月26日、新装となりましたザ・キャピトルホテル東急「鳳凰」の間に於いて、平成23年東京商工会議所女性会新年懇親会が開催されました。 多くの来賓の方々にご参加いただき、雅やかな江戸古典奇術「手妻」の不思議に酔いしれ、厳選されたお料理をいただきながら、和気藹々と新春を言祝ぐ盛大な宴となりました。

 新年懇親会の開宴に先立ち、ウェルカムアトラクションとして、和妻悉皆屋 藤山晃太郎氏による江戸古典奇術「手妻」が披露されました。「手妻」は江戸の時代から我が国に伝わる伝統芸能であり、藤山晃太郎氏は若手でもっとも注目されているこの伝統芸能の担い手です。華やかな和の調べの中、おめでたいものへの見立て芸を兼ね備えた造形芸の美しさ不思議さに目を奪われ、会場の会員もご参加いただき、生のお米をお菓子に変えるという奇術にほのぼのとし、幸せな時間を共有させていただきました。

 終了後、感謝の気持ちを込めて中島早苗理事より花束の贈呈がありました。

 午後6時10分、司会の山口玲子副会長の進行によって、吉川稲美 東京商工会議所女性会会長が登壇、「皆様、あけましておめでとうございます。本日は公務ご多用の中、石原都知事、岡村会頭をはじめとする多くのご来賓の方にお出かけいただきまして、新装なりましたここザ・キャピタルホテル東急の会場に集い、晴れやかに新年会が開催できますことを心から大変嬉しく思います。
 また女性会におきましても、正副会長を始め、今年は、常任理事、理事、監事の役員が全員出席となりまして、これも女性会が一丸となってこの大変な時代をともに協力し合いながら、乗り越えていこうという強い気持ちのあらわれではないかと大変頼もしく思っております。
 さて、昨年は北朝鮮による韓国延坪島への攻撃や、我が国の尖閣諸島における中国漁船の衝突事故の問題など、日本人が国家について改めて考えさせられる年であったと思います。
 フランスの経済学者ジャック・アタリ氏は、日本は国と地方公共団体合わせて860兆円という先進国では最悪の債務を抱えているにもかかわらず、国民に危機感がないと指摘しておられます。

 もはや私たち、特に経営者は自分のまわりの事のみに目を向けていてはすまされず、国という角度からものごとを考えなければ生きていくのが難しい時代になっています。しかしながら、その一方で厳しい状況に陥った原因を掘り下げ、マイナスや失敗から学ぶ謙虚な姿勢を持ち続けることで、厳しい状況にありながら、明るく温かく元気な活動を維持されている企業もおられます。人間は一つ一つのたゆまぬ研鑽の積み重ねの結果、自信が生まれ、その自信があってこそ、謙虚な姿勢が生まれ、さらにその積み重ねが本当の強さ、感謝を生む、このことこそが日本精神の基になるのではないでしょうか。
 私たちは、この女性会の活動を通して、思考の錬磨、感情の制御に努め、礼儀を持って、会員相互の信頼関係、友情の絆を深めていきたいと思っております。そして、女性会に参加することにより、輩の叡智をいただき、それぞれが会社に戻り仕事に取り組める、そのような活動を目指したいと思っております。

 記録的な寒波、オーストラリアの大洪水など、寒々しいニュースが多い中、サッカーアジアカップでの日本人選手の活躍には胸が熱くなりましたし、最近日本中に広がりを見せておりますタイガーマスク現象は私たちの心に温かい灯をともしてくださいました。私たち女性会も形は違いましても女性の特質を生かした分野に取り組み、周りに温かい波紋を広げていけるよう努めていきたいと思っております。
 昭憲皇太后様の‘しげりたる うばらからたち はらひても ふむべき道は ゆくべかりけり’の御歌を胸に、この変革の時代の今をお互いに信念をもって、明るく温かく、強く進んで参りませんか。」との挨拶がありました。

 続いて、石原慎太郎 東京都知事より、「新年あけましておめでとうございます。今年はやっかいな年になりそうです。 世界的にはイスラム教社会のキリスト教社会への報復という問題を抱えています。また、最近は慣れてしまったのでしょうが、天変地異などの世界的な危機が続いています。
 日本経済は国債への高依存により、経済力自体が衰退しているにもかかわらず、国民は案外平気でいます。これは歴代の政府にも国民自身にも責任があると思います。アメリカは自由、フランスは自由と博愛と平等というような信念を持っていますが、今日本人が持っているナショナルアイデンティティーは‘我欲’です。

 福沢諭吉は‘立国は公ではなく私の事である。一人ひとりが我欲を捨てて、私自身がやるのだという気持ちでとりくまねばならない。’と諭しておられました。ニューズウイークの表紙に星条旗の最後の星が日の丸になっている画像が使われたことがありました。日本の独立に関わるこのような危機に、国民がなすべき事は何か、次代につないで行くべき課題をきちんと自覚しようではありませんか。」とのご挨拶がありました。

 次に岡島敦子 内閣府男女共同参画局長より「本日は、お招きありがとうございます。昨年は我が国がAPECの開催国でありました。9月にはAPECの関連事業と致しまして、世界女性リーダーズネットワーク会合(WLN)が開かれました。加盟各国および地域から各界の女性リーダー約600人が集まり、女性による新たな経済活動の創造、人、自然、文化を生かすことをテーマに、様々なイベントが行われ、3日間、活発な議論や意見交換が行われました。最終日には‘女性と経済に関する提言’もまとめられました。

 我が国は、少子高齢・人口減少という大変厳しい時代にあり、これまで必ずしも社会で十分な活躍の場の無かった女性を社会に生かしていくということが求められています。人口の半分は女性であり、雇用は言うまでもなく消費の多くを担っているのは女性です。女性がもっと経営に参画することにより、この生活者の視点を新たな商品やサービスにつなげ、新たな価値の創造を図り、女性の活躍による収入の増加と消費の刺激により、良い意味での経済の循環が図られることを期待しています。

 昨年12月には第3次男女共同参画基本計画が閣議決定され、女性の活躍による社会経済の活性化が謳われております。1人でも多くの女性に地域の為、日本の為に活躍される道が開かれるよう、また女性会の皆様にも是非ご活躍をいただきたく、女性会のますますのご発展とご活躍を祈念しております。」とのご挨拶をいただきました。

 続いて、岡村正 東京商工会議所会頭より「石原都知事をはじめ、多くのご来賓をお迎えして、かくも盛大に執り行われたことをお祝い申し上げます。
 我が国の現状をどう憂えるかということですが、一つだけお話しさせていただきます。中国がGDPで日本を抜きました。中国は毎年10%の成長率、かたや日本はマイナス成長です。そういう中で、経済力・政治力・防衛力のある中国が大国としての常識をきちんと持って欲しいと考えるとともに、日本はどうやって存在感を示せばいいのかを真剣に考えなければいけない時です。

 日本は明治維新、第二次世界大戦と大変な時を乗り越え、イノベーション(革新)を続けながらジャパン・アズ・ナンバーワンと呼ばれるようになりましたが、その後の20年は漂流しているような状態ではないでしょうか。日本は固有の伝統と文化を維持しながら、科学技術において世界のトップを行くべきであり、これをスローガンとして掲げてお話をさせていただいておりますが、同時に若者が自信を持って仕事ができるようなフレーズを工夫していかなければなりません。

 今年は埋蔵金もなくなり、今後国家予算として今までのものを継続していくことはできません。10年協定も6月には結論を出さなければいけませんし、農業改革・社会保障制度・消費税の問題等々、たくさんの課題を解決しなければならず、大変な一年であることを認識しなければなりません。
 ここに参りますと皆様の熱気に圧倒されます。今日は、将来に向けて更に有効な会になりますよう、お祈りいたします。」とのご挨拶をいただきました。

 次に、井上象英副会長より、来賓の方々のご紹介があり、その後上條清文 東京商工会議所副会頭より「本日は、ザ・キャピトルホテル東急をご利用いただき、ありがとうございました。かつて会頭を務めた五島(昇)は東商女性会の大ファンでございまして、天上界から見て喜んでいるのではないでしょうか。
 東京商工会議所女性会は全国商工会議所女性会の中でも最大の会員数を誇り、また最も先進的な活動を活発に行う組織でもあります。東商女性会が地域の女性会の中核となり、経済を元気よく、吉川会長を中心に会員の皆様が一丸となって、華やかな中にもパワフルな活躍をなさいますようお祈りして乾杯いたします。」との乾杯のご発声を頂戴いたしました。

 和やかな雰囲気の中、次々と運ばれてくる華やかで美味しいお料理は懇親会用の特別メニューで、加藤完十郎総料理長より詳細なご説明がありました。和やかに会員の交流が行われる中、阿部千恵子副会長により顧問・相談役の紹介、そして新入会員の紹介がありました。
 抽選会では、役員寄贈の各テーブルに当たるテーブル賞、そして会頭他皆様ご寄贈の個人賞の抽選に、景品の番号を引き当てるとあちらこちらで歓声が上がり、楽しいひと時を過ごしました。

 最後に、畠山笑美子副会長の「本日はご出席いただき、ありがとうございました。女性会は新年から新しい組織に変わりました。今年は飛躍の年です。イベント、勉強会など盛りだくさんの行事を考えていきますので、是非まわりの皆様にお声掛けいただき、女性会にお誘いいただけますようお願いします。女性会は華やかなパワーでみなぎっております。こころを一つにして頑張っていきましょう」との閉会の挨拶ののち、三本締めで新春を言祝ぐ会はお開きとなりました。

(記:広報担当)