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活動報告

分科会3「ひとりの老後」はこわくないSSS世界
作家 松原 惇子氏

講師の松原先生は、大学を卒業するとすぐ結婚し、23歳で離婚。その後渡米し、30歳で帰国します。その間もずっと自分探しを続け、さまざまな人との出会いの中で、ともかく自分の考え方をしっかり持って、人と迎合しないことを信条とし、マンションを購入したそうです。

39歳で出版した「女が家を買うとき」は、自分の茨の人生と決心を描いたもので、ドラマにもなりました。先生はそれを機に文筆業に専念し、40代になってNPO法人の「SSSネットワーク」を立ち上げました。

「SSSネットワーク」とは「シングル・スマイル・シニアライフ」の略で、家族の有無に関係なく、個を生きる女性を応援するためのネットワークです。、苦労を味わった「女性達の集い」のような会合を催し、さらに共同墓の建立も手がけています。

「SSSネットワーク」の活動で得たことは、とかく文句の多い特定の人、また感謝してくれる人がいて、その人の言動はずっと変わらないということです。たとえば、何かにこだわりを持って生きている人は物事への不平不満が目立ち、また気配りに乏しい生き方をしている人達は、地味でサービス精神に欠けている人が多いのです。「SSSネットワーク」は困っている人のための会ですが、相談の多くは何かに執着心の強い人、何かをしてもらうことを望み、自分からは人にしたくないという考えの人からという状況です。そのことからも思いやりは学問でなく、社会学ではないかと考えます。
「SSSネットワーク」のパーティでいつもクレームを言う人は、たいがい良い人生でなく寂しい人生の人のように思います。クレームを言う人に対しては、相手もそれなりに対応せざるを得ないし、相手の対応は自分自身が作っているのではないかと思います。不安を取り除くためには自分の考え方を変えるべきです。

私は、何かに備える・おびえることを除いて、自然に生きることの大切さを知人の名医から学びました。いい生き方とは欲張らない生き方、楽天的で明るいこと・にこにこしていることです。

有料老人ホームには、以前から何もしない生活を送っていて、人に何かをしてもらっていた人が多く、老人ホームでも何かをしてもらうことに平気でいられる。人は苦しんでいるからアイディアが出るのだし、いい人と出会える。自分がその気で生きていけば、大切な家族にも恵まれ、良き人に出会え、良き友人が出来る筈です。先生は活動から年下の良き友人に出会ったそうです。また指導してくれた先輩は、恩は自分にではなく若い人に返してくれと言っていたので、そうしているそうです。
「私は執着しない生き方、こだわらないという考え方が出来て幸せです。」

「私は私の考え方で生きて行くし、自分の生き方を持つことが大切だと思っています。その中でつながる人とつながって生きて行きたい。自分の生き方をしっかり持って生きれば、良き人と出会えるし、一人の老後は不安ではありません。」と語られた松原氏の講演は、ユーモアたっぷりの本音トークで、会場からは終止笑いが絶えず、終了時には拍手喝采でした。

(記:大津洋子)

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