1. ホーム
  2. 平成20年度 活動報告
  3. サマーセミナー2008
  4. 分科会1「他人事ではない地震防災」

活動報告

分科会1「他人事ではない地震防災」
防災推進委員会代表 中浜慶和氏

世界一の地震大国である日本は、4つのプレート(地球の表層を形づくる岩石の層)がひしめき合って隣接する上に存在していて、いつ地震が発生しても不思議ではなく、文部科学省によって発表された今後30年以内に発生する大規模な地震の発生確率は宮城県沖が99%、東海沖は84%、首都圏では70%という高い確率となって おります。

関東大震災のようなマグニチュード8クラスの地震が起こるのは来世紀ということで少し安心致しましたが、もし、首都圏でマグニチュード6~7クラスの地震が発生した場合、6000人から7000人の死者が出るであろうと過去のデータにもとづいての統計が出ております。そこで、もし震度6の直下型の地震がおきたらどうするか。激震の中でなにができるのでしょうか。阪神・淡路大震災では「何も出来なかった」が40%、「ふとんをかぶった」が30%だったそうです。結局人間は激震が起きたら、身体が硬直し何もできないということがわかりますが、地震による被害を少しでも減らすために、日ごろからの備えが重要です。

大地震から学ぶ4大対策として阪神・淡路地震では死者の90%が建物の倒壊による圧死・焼死で、その60%が午前6時までに亡くなっています。発生からわずか14分だそうです。昭和23年以前の2階建ての建物は倒壊・壊滅し、中には昭和60年以降の建物でも全壊したものがありました。建物の耐震診断、耐震改修こそ必須の地震対策であることがわかります。日本は世界一の耐震技術を持っている国なのです。2番目には建物内の安全対策として家具の固定・転倒防止策をとることが重要になり、今はホームセンターなどで種類も豊富にありますので大切な家族の命を守るため、家具に転倒防止器具を取り付け、壁などにしっかりと固定してください。3番目は火災による被害です。火災警報器や消火器などの取り付けが重要です。4番目は家族との安否確認。災害伝言ダイヤル171や家族で待ち合わせ場所なども確認しておくと良いでしょう。今は携帯電話で安否確認を出来るサービスがありますので活用致しましょう。また、経営者にとっては従業員の安否も重要です。いざというときの従業員居住マップを作成しておきましょう。

時間が足りなくなり、具体的な防災対策例と質疑応答の時間がありませんでしたが、中浜先生の説明をみなさん熱心に聞いていました。

先生ご自身とご家族が大地震にあわれたにもかかわらず、終始笑顔でみなさんをなごませながらのお話は大変ためになりました。もう一度我が家の防災を見直し、転倒防止器具や非常用の食料や水など日ごろからの備えが大切だということを、今回の講演で改めて教えて頂きました。

(記:前田資子)

前のページに戻る

サマーセミナー2008 INDEXページへ