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活動報告

東商女性会ウィンターセミナー2009

2月18日(水)13:00~19:00
国際文化会館(六本木)にて開催

「二宮尊徳に学ぶ~質素・勤勉・倹約による至誠の生涯」

講師:岡田 幹彦氏(日本政策研究センター ・主任研究員)

岡田幹彦氏は日本の歴史や人物の研究に於いての第一人者です。
今回は「二宮尊徳(金次郎)」の人物像について非常に興味深く勉強をさせて頂き、人としての在り方、教育の重要性について深く考えさせられた一時でした。二宮尊徳は、身長182センチ、体重92キロの堂々とした体躯、いつもは控えているものの実はお酒が大好きで、年一回祝いの日だけ大杯で飲んだとのお話があり、会場からは「え~!」と言う声も聞かれました。

尊徳は「至孝(親を心から大事にする事)」「勤勉」「正直」をまっとうした人生を送りましたが、その尊徳を作り上げたのは、やはり10代前半で失うまでの短い間とはいえ、情けに厚く向上心を絶やさない特質を持った父利右衛門、母よしの、背中を見て育った日々の結果でありました。
また数々の教訓を残されていますが、この未曽有の不況の時代を生きる私たちにも有難い言葉を残しています。

  1. およそ事を成さんとして成就せざるものは速やかなる事を欲し、一挙にその業を遂げんとするが故なり
  2. 慎めよや少子。速やかならん事を欲するなかれ。速やかならんと欲すれば即ち大事を乱る。勤めよや、少子。倦むなかれ
  3. わが道は至誠(極めて誠実なこと)と実行のみ
  4. (尊徳の人柄の特長は)「自己を捧げて人を救い世を救い国を救わんとする神願を持ち、その根本にある至誠と慈悲の心、報恩報徳の心並びに自省の心、神仏への深い信仰。」

であって、それぞれが今の指導的立場にある者についても、参考になるものでした。
これらあまたのお教えを、それぞれが胸に収めた有意義な講演となりました。

(記:山口 玲子)

講演会「未曾有の景気後退下における経営者の対応」
女性経営者の質の向上と研鑽のために

講師:大久保 力氏(東京経営者協会 顧問)

百年に一度の経済危機といわれているこの時期に、大久保先生による大変興味深いテーマでの講演が一時間半にわたって行われました。

こうした経済環境の中で生き残る為に経営者は何をすべきなのか、一旦景気が好調となれば、人は居なくなります。成果主義だけではない魅力ある職場や給与体系を作り、労働力の確保を図るべきです。そしてコスト競争の面でなく他社が簡単に追従できないサービスを提供しいく付加価値重視の企業経営も求められてきます。

付加価値創造企業経営者は、人望、知識、コミュニケーション力、時代感覚・将来を見通す力、決断力、心身の健康等の要素が必要です。女性経営者は比較的、遠慮なく前に出て毅然と企業のために行動している人が多く、こうした企業が今結構伸びています。

経営の質を高める為のパフォーマンスとは、不易流行(絶え間ない改革)、ABC(当り前のことをバカみたいにちゃんとやる)ができる人材の育成等。景気回復は48ヶ月とも、24ヶ月とも言われていますが、夜明けの来ない夜はありません。「会社大好き人間」で「生活大好き人間」のワークライフバランスを持ち、この会社のために働こう!という人材を確保する会社と労働者の“心の契約”が不可欠になってきます。CS(顧客満足)の前に、ES(従業員満足)の経営であるべきです。それを可能にするまず、経営者としての研鑽が必要です。

景気が悪いと嘆いてばかりはいられません。経営者として今だからこそやるべき事は沢山あります!…と、元気と沢山の課題をいただい大変貴重な大久保先生の講演でした。

(記:二木 玲子)

お二人の講師の講演の後、場所をレストランSAKURAに移して懇親会が開かれました。

井上象英副会長の「今日は岡田先生、大久保先生には長時間にわたりご講演いただき大変ありがとうございました。皆さんも有意義な一日になったと思っていらっしゃると思います。ビスマルクの言葉に『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』というものがありますが、過去の賢者の生きてきた軌跡を知ることによって我々は学ぶことができます。そういう意味では今日のウィンター・セミナーは初めての試みですが、素晴らしい効果がこれから会社や日常生活の中に生かせたら良いと思います。」とのごあいさつと乾杯のご発声で、東商オリジナル・蓼科フォーラムのワインで乾杯し、懇談の皮切りとなりました。

会場は、ライトアップされた東京タワーを借景にした落ち着いた雰囲気の庭園を臨むレストランで、セミナーを受講した会員の方々がコースのお料理に舌鼓を打ちながら歓談のひと時を楽しみました。

閉会の辞は市瀬優子研修部リーダーの「本日は定員を超える人にお集まりいただきましてありがとうございました。これも岡田先生、大久保先生お二人のおかげです。東商女性会の今期の研修はこのウィンター・セミナーで一区切りとなります。これからもウィンター・セミナーを続け、大きな研修部になっていって欲しい」とのごあいさつで締め括られ、参加者のそれぞれがウィンター・セミナーで学んだことを心に刻み、帰路につきました。

(記:髙田 悦子)