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活動報告

~日本のウォール街を歩く~東京証券取引所・日本銀行視察会

平成18年11月7日、心配していた天気にも恵まれ朝8時45分、予定通り皆様集合致しました。

まず最初に、東京証券取引所内の視察です。
株式の説明や東証の役割とは何かのビデオを見たあとは、テレビでも見覚えのある東証アローズの中へ入りました。
かつての広大な株券売買立会場は、売買のコンピューター化に伴って2005年5月に「東証アローズ」として生まれ変わりました。広さはテニスコートが4面入る大きさです。
NHK、日本テレビ、テレビ東京、ロイター、ブルーグバーグなどの報道機関がスダジオを構えています。

当日の円形電子表示板は銘柄名が目が回る程の早さ回転していましたが、これは取引が頻繁に行われている為であり、取引が少ない時には回転スピードが遅くなるのだそうです。銘柄の表示は三段で構成されており、上から会社名、株価、昨日の終値の差額を表しています
昨日の値段より上がっていれば赤字でプラス、下がっていれば緑字でマイナス、金額は一株の値段で表示されています。カタカナのウ、カは売り気配、買い気配の略です。
株式会社100万社あるうち、上場銘柄2300銘柄、その内、一部上場1700、二部上場500、マザーズ160程です。
テレビのニュースでおなじみの鐘は、今では新規上場したときなどに鳴らします。
マーケットセンターの中は東証の社員のみで、コンピューターで売買の監視、入力ミス、インサイダー取引などのチェックを行っています。

東証に注文が出来る証券会社は約110社ほどあります。
世界の三大証券取引所は、東京、ニューヨーク、ロンドンで、東証アローズ(矢)の意味は、情報が行き交うと言う意味を示しています。
日本国内では、東京、ジャスダック、大阪、名古屋、福岡、札幌の六ヶ所です。
大画面の前では、昔の手で行うサインをいくつか教えて頂きました。
みんなで記念撮影をし、あっという間の一時間でした。

徒歩で15分程で貨幣博物館です。
古代から現代までの様々な貨幣や貨幣に関する資料、海外の珍しい貨幣などを見ることができました。ここでは一億円分のお札の重さを体験することが出来ます。

次は日本銀行の視察です。最初に日本銀行の役割の説明ビデオを見ました。
日本銀行の使命は、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することと、決済システムの円滑かつ安定的な運行を確保し、金融システムの安定に資することです。
日本銀行が設立されたのは、明治15年です、地下一階、地上3階立ての石積み煉瓦造りで、現在、旧本館は重要文化財に指定されています。
高橋是清は、歴史的もっとも有名な日銀総裁です。226事件で暗殺され、だるま大臣とも言われていました。20円札の肖像にも選ばれています。歴代日本銀行総裁の中でお札の肖像になった唯一の人です。お札の決定権は財務大臣が持っています。
他岩崎弥之助等、歴代の総裁の説明を受けました。
当時の初代総裁が薩摩出身であったため、当時薩摩では力強く「にっぽん」と発音していた為「にっぽんぎんこう」と呼んだのが始まりとも言われています。
お札は破けたり燃えたりした場合、裏表が残っていることが前提ですが全体の3分の2以上残っていれば全額交換可能で、面積が5/2未満は失効扱いになります。
燃えてしまっても特殊インクのためお札と認定されれば、条件を満たせば交換可能です。
1000円札で平均1年から2年が寿命です。リサイクルもされていて植木鉢やトイレットペーパにもなっています。今回は3枚分の裁断されたお札をお土産にいただきました。
建物は2階から3階にかけて左右に2本ずつ対をなす巨大な柱や真ん中のドームなどはバロック様式、規則正しく並ぶ窓などはルネッサンス様式を取り入れており、銀行の窓口業務は新館に移りましたが、現在でも事務室として使用しており当時の様子をうかがい知ることが出来ます。
旧館地下金庫の総面積は1426平米で、第一の扉はニューヨーク製で、扉の厚さは900mm、重さは25トンです、そこを入ると、第二の扉がありイギリス製で扉の厚さは100mmです、この部屋は壁、天井の煉瓦は建築当時(明治29年)のままとなっており、天井の煉瓦は力を分散する為に、アーチ状に積まれています。この様式が、関東大震災から日銀を救ったとも言われています。
本館の建物は震災にも耐えましたが、内部は火災で2、3階のかなりの部分が焼けました。金庫内の壁にあるシミは、火災の消火に当たり流した水によるものではないかと言われています。
日本銀行券は昔は木箱や容器に入れて保管されていましたが、現在は銀行券一千枚の束を10個まとめてビニールパックとし、更にそれを40個積み上げた形で保管しています。
ここでは、1000億円分の銀行券パックや硬貨用専用袋などが展示されており、有価証券などを保管していた部屋を見学しました。
第三の扉は日本製で厚さ100mmです、扉の奥の部屋は旧館ドームの真下にあり八角形の形をしています。普段ではなかなか機会のない日銀の見学は、楽しく興味深く過ぎました。

昼食にマンダリンホテル内でイタリアンのランチをいただいた後は、銘々に美術館見学などへ行き解散致しました。

(記:鈴木紀子)